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北朝鮮が開発したというコロナワクチンと治療薬は信頼できるか
デイリーNKジャパン8月31日(火)6時5分
英・オックスフォード大学が運営するOur World in Data(データで見る私たちの世界)によると、新型コロナウイルスのワクチン接種を1回終えた人の割合は日本54.95%、韓国55.79%とほぼ同率だが、2回終えた人の割合を見ると、日本43.85%に対して韓国は28.46%と、大きく差が出ている。韓国の接種の遅れは、ワクチン調達が順調に進まなかったことに起因すると言われている。
一方の台湾はそれぞれ38.79%、3.65%で、日韓両国に比べると出遅れているが、台湾には強みがある。自国製のワクチンの存在だ。メディジェン社が開発したワクチンの接種が23日から始まり、蔡英文総統が接種する様子がメディアで大きく取り上げられた。
さて、北朝鮮だが、「COVAXファシリティ」を通じたワクチン供給を拒否し、接種を受けられたのは、金正恩総書記やごく限られた最高幹部に過ぎない。そんな中、独自のワクチン、治療薬の開発に成功したとの話が飛び込んできた。
開発に成功したとされているのは、咸鏡北道(ハムギョンブクト)清津(チョンジン)の羅南(ラナム)製薬工場。現地のデイリーNK内部情報筋によると、工場でワクチンと治療薬の研究にあたっていた40代の研究者と薬剤師2人が家族と共に首都・平壌に呼び出されたという。
「関連部門で成果を上げた」との報告が中央になされたための措置だとのことだが、情報筋はワクチン、治療薬がいかなる種類のものなのかなど、詳細には触れていない。
ただ、「当局は彼らが発見し、作り出したコロナワクチンと治療薬が『われわれ式(北朝鮮式)開発だ』と評価しつつ、自力更生の物質、技術的土台を備え、わが国(北朝鮮)の原料と薬剤に頼って、わが国の研究技術で伝染病(コロナ)治療予防事業に必要なことだと持ち上げた」とのみ伝えている。
2人は、中央医学研究院の薬学研究所の室長に就任し、中央は彼らの事業を絶対的に保証せよとの指示も下した。また、家族を含めて平壌市民証を発行し、平壌に居住する資格を与えた。
情報筋は、功績のあった地方在住者に対して夫婦で平壌に移住させるのが一般的だったが、今回は家族全員を移住させるという異例のやり方で、住民の間で話題となっていると伝えた。
朝鮮労働党咸鏡北道委員会の幹部(人事)部は、「党に対する忠誠心と愛国心、そして実力と資質さえあれば、誰であろうとも彼らのように平壌居住のみならず、党の恩恵をいつでも受けられる」などと宣伝を行っている。
「党の呼びかけに成果を出した人は、たとえ労働者であっても、自分の持ち場で革新(的成果)を出して、党に最後まで忠実であれば、彼らの家族まで責任を持ってやる。皆が党の呼びかけに余すところなく健診奮闘しよう」(党委員会幹部部)
さて、今回のワクチン、治療薬だが、正体が明らかになっていないため、評価のしようがない。ただ、北朝鮮が今まで特効薬、万病に効くなどと称して眉唾ものの医薬品、健康食品の輸出を行っていたことを考えると、効果や安全性が怪しまれても致し方がないだろう。
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