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中国“完全包囲” 日米豪印プラス仏で共同訓練「自由で開かれたインド太平洋」の実現へ
4/6(火) 16:56
配信
夕刊フジ
フランス海軍が主導し、日本の海上自衛隊と米国、オーストラリア、インドの海軍が参加する海上共同訓練「ラ・ペルーズ」が5日、インド東方のベンガル湾で始まった。インド洋や南太平洋に海外領土を持つフランスが、日米豪印の戦略的枠組み「QUAD(クアッド)」と連携して、中国による軍事的覇権拡大を牽制(けんせい)する狙い。自由主義陣営の包囲網を警戒したのか、中国の要請で同日、日中外相電話会談が行われた。
「『自由で開かれたインド太平洋』の実現に向けて連携を強化すべく、次のとおり日仏米豪印共同訓練(ラ・ペルーズ21)を実施します」
海上自衛隊は5日、HPでこう発信した。
共同訓練には、海自の護衛艦「あけぼの」と、米海軍ドック型輸送揚陸艦「サマセット」、仏海軍強襲揚陸艦「トネル」、同フリゲート艦「シュクーフ」、豪海軍フリゲート艦「アンザック」、印海軍フリゲート艦「サツプラ」などが参加し、対空戦や洋上補給などの訓練を実施する。
訓練終了後、仏海軍の艦船2隻はインド太平洋地域に展開し、日本に向かうという。中国が独自の境界線「九段線」に基づき、ほぼ全域での権益を主張する南シナ海も航行する予定という。
ラ・ペルーズは2019年に日米豪仏で初めて実施。インドの参加は今回が初めて。
自由主義陣営の包囲網構築を警戒したのか、中国側の要請で5日、茂木敏充外相と、中国の王毅国務委員兼外相の電話会談が行われた。
茂木氏は、海警局に外国船舶への武器使用を認めた「海警法」施行や、沖縄県・尖閣諸島周辺への海警局船による領海侵入、南シナ海情勢、香港・ウイグルでの人権状況について「深刻な懸念」を伝え、中国側の具体的行動を強く求めた。
これに対し、王氏は「日本がウイグルや香港に関することなど、中国の内政に介入することに反対する」と述べた。
ただ、両外相は「北朝鮮の非核化」に向けた連携を確認。茂木氏は日本人拉致事件の解決に向けた理解を求め、王氏の支持を得た。
ラ・ペルーズ直前の3日、中国海軍の空母「遼寧」など艦艇6隻が沖縄本島と宮古島の間を南下し、太平洋に入った。自由主義陣営と中国共産党政権は、軍事力を背景として複雑な外交を展開しているようだ。
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