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【症例】58 歳男性
発熱・下痢症状を伴う新型コロナウイルス肺炎に対しヒドロキシクロロキン、ロピナビル/リトナビルを投与したが
増悪し、ファビピラビルが著効
3 月 22 日に会食に参加した。翌 3 月 23 日に会食した友人が 39℃の発熱を認めた。
3 月 26 日39℃の発熱,腹痛,下痢が出現し、近医を受診した。胸部レントゲン写真で異常なく、
解熱剤,整腸剤の投与を受けた。症状が改善しないため 3 月 30 日当院を
受診、胸部レントゲン写真及び胸部 CT 検査で肺炎像が認められた(Fig1 -A, Fig2)。
市中肺炎と診断し、ガレノキサシン 400 ? /日を投与、鼻咽頭ぬぐい液SARS-CoV-2PCR 検査を施行した。
4 月 1 日に陽性と判明、4 月 2 日入院となった。
【入院後経過】入院時、発熱,頻呼吸,倦怠感,腹痛,下痢を認め、全身状態不良であった。
胸部レントゲン写真では、左肺野に新たな病変を認めた(Fig1-B)。LPV/RTV の投与を検討したが
下痢の増悪が危惧され、HCQ400mg/日を 4 月 2 日から開始した。胸部レントゲン所見(Fig1-C,D)は
やや改善するも、発熱と消化器症状が悪化し、ウイルス血症や腸炎が病態として疑われた。
HCQ は下痢の増悪、また薬剤自体の効果が乏しいため 4 月 4 日に中止した。シクレソニド(以後
CIC)を考慮したが肺病変は改善傾向であり、吸入ではなく LPV/RTV800mg/200mg の内服に変更、
しかし消化器症状が増悪し 4 月 5 日中止した。翌 4 月 6日全身状態が悪化し、酸素投与が必要となった。
39℃台の発熱の持続と1日 20 回程度の水様性下痢を認める
4 月 7 日胸腹部 CT 検査を行った。肺野に新たなすりガラス影を認め、腹部は小腸と大腸に液
体貯留と小腸ガスの軽度貯留を認め腸炎が示唆された(Fig3)。臨床所見,炎症所見の増悪,
急性腎障害の併発から重症例と判断し、4 月 7 日よりファビピラビル(アビガン)を開始した。
投与開始 24 時間後の 4 月 8 日には解熱傾向を認め、酸素投与も中止、消化器症状も著明に改善した。
。既往にある喘息症状が出現したことから、4 月 8 日から CIC の吸入を行った。4 月 11 日に鼻咽
頭ぬぐい液の PCR を提出し陰性であった。なお HCQ、LPV/RTV、ファビピラビルの適応外使用に関しては
院内倫理委員会の承認と本人の同意を得て使用した。
東京慈恵会医科大学葛飾医療センター 2020/4/15
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