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‪ソフトバンクG、自社株買い5000億円 株価下落で: 日本経済新聞
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ソフトバンクグループ（SBG）は13日、5000億円を上限に自社株買いを実施すると発表した。米国のアクティビスト（物言う株主）が2兆円規模の自社株買いを要求するなかでの実施となる。
新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに世界の金融市場は混乱する。SBGの株価も12日までの過去1カ月間で3割強下落しており、自社株買いの好機と判断したもようだ。
SBGは同日、「（自社の）株価が株主価値と乖離（かいり）するリスクを考慮した」とコメントした。孫正義会長兼社長は自社の時価総額が、
中国・アリババ集団など投資先企業の株式の価値を合算し純有利子負債を差し引いた「株主価値」を大きく下回る現状を問題視している。12日の株主価値は約21兆円でこの1カ月で17%（4兆円）減少した。
12日時点のSBGの時価総額は約8兆円で、株主価値との乖離が大きく残っていた。
SBGに出資する米有力アクティビスト、エリオット・マネジメントはSBGに2兆円規模の自社株買いを求めている。
しかし、SBGが今回の自社株買いに続く株主還元策を実施できるかは不透明だ。世界の金融市場に不安が広がるなか、同社の財務が悪化する懸念も高まっているからだ。
SBGは純有利子負債を保有株価値で割った「負債カバー率（LTV）」を財務規律の物差しとしている。この数値が低いほど財務が健全とし、目標を25%未満とする。足元の数値は19%で安全圏だ。
だが投資先の企業価値が目減りすれば保有株価値は減り、LTVの数値を押し上げる。株安がどこまで続くか分からないなか
「兆円単位の株主還元に打って出る体力はなく、タイミングでもない」（海外証券アナリスト）との見方が優勢だ。
SBG株は13日、一時10%安まで下落する場面があった。この時期の自社株買いには、
「相場混乱の中で手元資金を減らす行動を取ることは信用力へのマイナス影響が大きい」（国内証券）といった見方があった。