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元レバノン大使の天木直人氏は言う。
「安倍首相が金正恩委員長の反応を最初に知らされたのは、トランプ大統領との電話でしょう。
トランプ大統領と文在寅大統領に拉致問題の提起を頼み込んでいたわけですから、満額回答と言っていい。
それなのに自分の口から一切明かさず、喫緊の課題もない中東へ向かった。日朝首脳会談が実現すれば、
拉致問題をめぐるウソがばれてしまうからではないか。まさに敵前逃亡ですよ。
安倍政権はストックホルム合意に基づく再調査結果を正式には受け取っていませんが、
内容は把握しているはずで、安倍首相にとって都合が悪いものだと伝えられている。
安倍首相が〈全ての拉致被害者を取り戻す〉と言い続けているのはデタラメである可能性が高いのです」
風向きが変わった途端、安倍首相周辺から
「北朝鮮は日本から経済支援を引き出そうとして、拉致問題で態度を硬化させるんじゃないか」(外交筋)と
日朝会談に慎重な観測が流れるのも不可思議だ。
朝鮮半島情勢に詳しい国際ジャーナリストの太刀川正樹氏はこう言う。
「北朝鮮からすれば拉致問題は解決済み。
日本がストックホルム合意による再調査報告書を受け取らないため、宙に浮いたという認識なのです。
安倍首相は拉致被害者の象徴的な存在である横田めぐみさんの救出を訴えてきましたが、
北朝鮮は死亡という従来結果を覆していない。
このタイミングでそうした事実を突きつけられたら、3年以上もウソを重ねていたことが明らかになる。
安倍首相は相当なジレンマに陥っているでしょう」
生存が伝えられる被害者もその家族も高齢化が進む。
拉致問題の進展を阻んでいるのは紛れもなく安倍首相本人だ。
「拉致問題は安倍内閣で解決する」はやっぱり嘘八百なのだ。
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