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NEC、リチウムイオン電池撤退へ 投資負担重く
NECはリチウムイオン電池事業から撤退する。電極を生産する子会社を中国の投資ファンド、
GSRグループに売却することで最終調整に入った。電気自動車(EV)向け車載リチウムイオン電池は
日中韓の電池メーカーによる巨額投資が繰り広げられ、優勝劣敗が進みつつある。
フランスに続き、英国が2040年にガソリンなど化石燃料で走るエンジン車の販売を禁ずる方針を発表。
EVなどに使う車載電池の世界市場は25年に16年比5倍の6兆6千億円に拡大すると富士経済(東京・中央)は予測する。
車載リチウム電池で世界首位のパナソニックは米テスラやトヨタ自動車を顧客に持ち、巨額投資を続ける。
一方、NECは電池の納入先がほぼ日産自動車に限られているが、日産は電池の調達先を広げる方針に変更した。
NECは事業継続のための投資負担の意味が薄らいでいると判断、他の事業との親和性も少ないため、撤退を決断した。
売却するのは電極製造子会社、NECエナジーデバイス(相模原市)。主に日産のEV「リーフ」の車載電池向けに
電極を生産しており、年間売上高は約150億円とみられる。NECはGSRに150億円前後での売却を提示しているもよう。
日産が先行してGSRと売却交渉を進めていた電池子会社、オートモーティブエナジーサプライ
(AESC、神奈川県座間市)についてもNECは持ち分売却に大筋で同意した。AESCは日産が51%、
NECとNECエナジーデバイスが49%を出資。エナジーデバイスから電極を仕入れて電池を生産しており、
年間売上高は300億円程度。売却額は1000億円前後になるとみられる。
NECは風力発電事業者など向けの大型蓄電システムといったエネルギー関連事業は、以前から電池を
外部調達しており事業を継続する。日産は次世代電池の研究開発は残す一方、EVの生産コストを抑えるため
電池は外部調達に切り替える。
GSRはIT(情報技術)や環境分野に強みを持つ中国のファンドで、米国や中国の車載電池メーカーにも
投資実績がある。中国では環境規制を背景にEV市場が拡大する見込み。技術を取り込むことで、
中国国内での高品質な車載電池の供給体制を構築する狙いがあるもようだ。
URLリンク(www.nikkei.com)