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朝鮮半島有事で難民が押し寄せても“難民対策の法律がない”
朝鮮半島で有事が起きた場合、どの程度の難民が日本に押し寄せるのか。自衛隊は、韓国から約二十二万人、
北朝鮮からは約五万人の合計約二十七万人が押し寄せ、九州北部や山陰地方沿岸部から上陸すると見込んでいる。
その際、日本側には大きな問題点があると、東京新聞論説兼編集委員の半田滋氏は指摘する。
実は朝鮮半島有事を想定し、自衛隊がなすべきことを示した指針「K半島事態対処計画」(一九九三年)というシミュレーションが存在する。
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自衛隊による難民対処には根本的な問題がある。「K半島事態対処計画」は「参考となる法令はあるが、
自衛隊活動の明確な根拠とはなり得ない」と明記され、難民対処のための法律が存在しないことこそが問題と指摘する。
過去に上陸した難民に対しては、法務省入国管理局が何とか対処してきた。
一九八九年五月から九月にかけて二十一件(人員二千六百八十三人、二十一隻)のボートピープル漂着事案があった。
法務省大村入国管理センターが担当したが、処理しきれず、防衛庁に協力要請して、天幕十六張と自衛官六十二人を借り受けている。
入管で収容できる人数は全国で三千人程度とされているが、ボートピープルの例をみる限り、それ以下の人数でもお手上げだとわかる。
朝鮮半島有事でなだれ込む難民は桁違いの二十七万人(韓国から二十二万人、北朝鮮から五万人との見込み)だ。
最終的には自衛隊施設を活用せざるを得ず、自衛隊は権限なき難民対処を求められるのである。
「K半島事態対処計画」は自衛隊が難民に対処する際の問題点を以下のように挙げている。
「日本は波及する難民数を把握するのが困難」「難民の計画が武装難民なのか、非武装難民なのか、あるいは亡命なのか判定が困難」「語学による障害」などである。
朝鮮半島から押し寄せる難民と、テロ攻撃から逃げまどう日本人が混在する日本列島で自衛隊と北朝鮮軍が戦うという
終末の光景は想像するだけでも恐ろしい。喫緊の課題として難民対策が求められている。
(抜粋)
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