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8/1◆パリ五輪 第6日 ▽柔道(31日、シャンドマルス・アリーナ)
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【パリ(31日)=林直史】柔道男子90キロ級で初出場の村尾三四郎(23)=JESグループ=が銀メダルを獲得した。初戦から3試合を一本勝ちしたが、決勝で東京五輪覇者のラシャ・ベカウリ(ジョージア)に屈した。日本柔道男子は競技初日から5日連続のメダル獲得となった。
頂点には惜しくも届かなかったが、名前にふさわしい戦いぶりだった。村尾は初戦から大外刈りで44秒で仕留め、準決勝も地元フランスの選手に足技で小外刈り、大内刈りで立て続けに技ありを奪って合わせ一本勝ち。決勝で東京五輪王者のベカウリに敗れたものの、16年リオ五輪のベイカー茉秋以来、日本勢が五輪と世界選手権で頂点から遠ざかる90キロ級で価値ある銀メダルをつかんだ。
父が日本人、母が米国人で米ニューヨーク生まれた。「生粋の日本人に育てるために」との願いを込めて、三四郎と名付けられた。5歳で柔道を始め、小6まで92年バルセロナ大会86キロ級銅メダルの岡田弘隆氏、桐蔭学園高で04年アテネ大会73キロ級代表の高松正裕氏ら五輪を知る指導者に学び、力を伸ばした。高校3年時に繰り上がりで出場したグランドスラム(GS)大阪大会で2位に入り、東京五輪代表争いに加わった。
だが、大学生で戦った選考レースを勝ち抜くことはできなかった。「2番手、3番手でなかなか1番手に上がれない時期が続いた。近いようで遠い」。パリ五輪に向けても初めて出場した22年世界選手権で2回戦敗退を喫するなど、苦しんだ。
転機は22年6月の全日本学生優勝大会。体重無差別の団体戦で代表戦にもつれ、国士舘大・斉藤立と対戦。体重80キロ差の相手を16分18秒の死闘の末に破り、主将として東海大を6連覇に導いた。衝撃的な勝利を自信に国際大会でも成績が上向き、翌年の世界選手権で銅メダルを獲得。初めて立った五輪の舞台で“令和の三四郎”が輝いた。
報知新聞社