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松本人志問題にフランス哲学者「性愛にギャンブルの要素は不可欠だ」仏著名メディアは「なぜ吉本とテレビ局は松本を守る?」と困惑 - みんかぶ(マガジン)
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福田肇
2024.02.26
お笑い芸人・松本人志氏の性加害疑惑は、フランスでも大きく報じられている。フランス哲学者の福田肇氏は「フランスでは、芸能事務所が所属タレントを吉本興業のように庇護することはない」というーー。
目次
1.好きな人と路上で会ったら「運命の出遭い」、嫌いな人なら「ストーカー」
2.壁ドンもキスも犯罪になりうる以上、誓約書が必要かもしれない
3.フランスの有力紙「フィガロ」は松本人志氏の性加害疑惑をどう報じたか
4.マスコミの過剰な忖度が事実を表面化させることを遅らせてきたのは事実
5.フランスの「反#MeToo運動」では、男性が女性に「しつこく言い寄る自由」をフランス女優らが主張し始めた
6.性愛に「賭け」の要素は不可欠だ
7.仏著名メディアは吉本興業に対して「タレント事務所が前に出てくるのは驚くべきことだ」とコメント
8.フランス人にとって「どうしょもなく謎」な吉本とテレビ
好きな人と路上で会ったら「運命の出遭い」、嫌いな人なら「ストーカー」
「好きな人と路上で偶然遭遇したら〝運命の出遭い〟。嫌いな人と遭遇したら〝ストーカー〟」というジョーク(?)がある。
じっさい、同じ状況や行為でも、解釈によってどうにでも評価が変わる。たまたま道で知り合いの女の子にばったり出くわしたらいきなりストーカー扱いされる男性も気の毒といえば気の毒だが、さまざまな事象を関係づけて構成する〝物語〟を糧として生きているのが人間だから、彼女が編む〝物語〟のなかに、幸運にも〝運命の王子様〟なる登場人物として組み込まれようが、不幸にも〝怪しい追跡者〟として抜擢されようが、それはいたしかたないことである。
壁ドンもキスも犯罪になりうる以上、誓約書が必要かもしれない
さて、数年前、〝壁ドン〟なるパフォーマンスが流行った。周知のとおり、男性が女性を壁際に追いやり、片手もしくは両手を壁に勢いよく接着させて、壁と男性の身体との間にできた狭い空間に女性を一時的に閉じこめる行為である。たいていの場合、それに愛の告白か口唇の接触が続くようだ。
この強引なパフォーマンスにうっとりする女性もいるかと思えば、他方でそれはへたをすると暴行罪の構成要件にもなる。〝壁ドン〟は、女性が不愉快や脅威を感じるなら、彼女にたいする「有形力の行使」すなわち〝暴力〟に相当する。法定刑は、「2年以下の懲役もしくは30万円以下の罰金または拘留もしくは科料」である。いまどきあえて〝壁ドン〟を実践したいという奇特な男性もいないとは思うが、もしそうするなら「前科一犯」になる覚悟のうえで臨んでいただきたい。
「キスを奪う」も不意打ちの愛の行為としてロマンティックなモチーフにさえなりうるが、その反面、一歩まちがえば暴行罪よりももっと重い、強制わいせつ罪が適用される可能性がある。求愛行動も命がけだ。
このコンプライアンスの時代、恋愛にも「インフォームド・コンセント」(説明と同意)が必要なのかもしれない。〝壁ドンの誓約書〟、〝キスを奪う誓約書〟を二人で交わしてから事に及べば安心というものだ。
フランスの有力紙「フィガロ」は松本人志氏の性加害疑惑をどう報じたか
フランスの有力紙「フィガロ」は、2023年1月9日、「日本のお笑い芸人松本人志が性的暴行容疑」という見出しの記事を掲載した。
(略)
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