23/10/22 11:44:58.97 3csSxTSA9.net
昨今、話題となっているJリーグのシーズン移行問題については、札幌の社長だった野々村がチェアマン就任後に議論が具体化していることから「札幌はドームがあるから問題ないと思っているのではないか?」というやっかみにも似た声をよく耳にする。とはいえ、そんなに単純な話でもあるまい。三上は言う。
「確かに試合開催に限っていれば、他の雪国のクラブに比べて快適なのかもしれません。でも試合以外の日、サッカーのピッチはドームの外に出ていますから、冬の間は雪が1メートルから2メートルくらい積もります。
雪かきの必要はあるし、芝の負担にもなりますからね。それにトレーニングも、冬の間は屋内練習場の人工芝で行うことになるでしょう」
北海道でプロスポーツ興行を成立させるには、ドーム型の競技施設は不可欠だった。札幌ドームの場合、屋外で育成した天然芝を空気圧で浮かせて屋内へ移動させる「ホヴァリングサッカーステージ」を採用しており、サッカー用の天然芝と野球用の人工芝を使い分けられるようになっている。
ただし、天然芝のピッチをドーム内にしまっておくわけにはいかないため、やはり積雪のコストは考えなければならない。
そうした状況がありながらも、夏場の選手の消耗を考えるならば、シーズン移行について三上は理解を示している。当人曰く「条件付き賛成」。その条件は2つあるという。
「1つは冬の間でも、トレーニングができる環境整備。JFAとJリーグと当該クラブ、そしてホームタウンの自治体の4者がしっかり財源を確保することが大事だと思います。もう1つは、雪国でも冬の間もスポーツを楽しむための環境整備。これはプレーヤーだけでなく、観戦する人についても同様です。
シーズン移行については、その意義や必要性を感じていますが、以上2つの条件が満たされれば、という意味での『条件付き賛成』というのが、今の僕の立場です」
札幌ドームでは今年、大きな変化があった。北海道日本ハムファイターズが、自前のスタジアムである、北広島市のエスコンフィールドHOKKAIDOへ移転。
2004年から22年まで続いた、コンサドーレと日本ハムの共同使用は、ついに途切れることとなる。
ドーム使用のコストは「前年とは変わりない」。それでも三上は、日本ハム移転後のネガティブな報道に、密かに心を痛めていたという。
「日ハムさんが出て行ったことで『札幌ドームの経営が厳しいのではないか?』という報道は、よく目にします。僕らができることは何かと言えば、ドームを『負の遺産』にしないこと。
自前の専用スタジアムを作ることは、我々にとっても検討課題ではあります。けれども、このタイミングでそれを具体化してしまったら、ドームはどうなるのか? そんな思いはありました」
昨年11月、札幌ドームとコンサドーレは、2023年以降のドーム及び周辺地域の活性化に向けて、相互に連携・協力しながら事業に取り組むことを目的とした「スポーツのチカラ×まちのミライ」パートナーシップを締結。
自前の専用スタジアムのプロジェクトは、いったん凍結している。クラブオフィスを札幌ドームに移転させたのも、パートナーシップの一環であろう。
札幌ドームの公式サイトによると、10月のサッカーや野球、ラグビーなどのスポーツイベントは11日あり、場面転換や休館日が8日。残り12日は空白である。
エスコンフィールドに注目が集まる中、札幌ドームを「オワコン」化させないためには、試合がない日でも賑わいを作るためのノウハウが求められよう。
「おっしゃるとおり、我々のホームゲームの数も限られていますから、今は月の半分くらいはイベントがない状態です。試合がない日に、このエリアを使ってどれだけの人を集めることができるか。
その部分のノウハウは、多少ですが我々は持っています。そういったものを無償で提供しながら、札幌ドームさんと一緒に、盛り上げていきたいと思っています」
三上への取材を終えてから、試合前のピッチに立つ。すでに前座イベントは終了し、札幌サポーターのチャントがドームに反響していた。今季の札幌は7位が最高、夏場に失速してからは2桁順位が続いている。
それでもJ1をキープして、今季で7シーズン目。サポーターには言いたいことはあるだろうが、J2との昇降格を繰り返すエレベーター状態だった時代を思えば、今は幸福な日々を送っているとも言えよう。
10/22(日) 7:43配信 THE ANSWER
URLリンク(news.yahoo.co.jp)
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