23/08/09 11:11:09.37 ZPvhIIRP9.net
出版業界に新たな風が吹き始めている。話題の電子書籍、電子コミックはもちろん、昨今では「音声で本を聴く」という形で本が読まれ始めているのだ。かつて目が悪くなった方やろうあ者向けのものが多かったが、現在では音声で読書を聴くことが新たな読書形態の一つになってきている。音声で本を楽しむことの反響とは実際どうなのか。オーディオブックの制作・配信元であるAmazonオーディブル(以後Audible)と刊行書籍を配信している早川書房それぞれに話を聞いた。
サブスクが起爆剤となって会員数が67%増 聴取時間は260%に
Audibleが日本でサービスを開始したのは2015年。アメリカの本社を筆頭に、ドイツ・イギリス・フランス・オーストラリアに続いてのローンチとなった。当初日本では本を「読む」ではなく「聴く」ということが斬新なライフスタイルであったため、消費者にもよくわからないといった暗雲立ち込めた中でのスタートとなった。
「以前はコイン制で、Audible会員は毎月付与される1コインで、好きな書籍を1冊購入にしていましたが、2022年1月、コイン制から配信していた日本語作品の95%以上が聴き放題で楽しめるようになりました。多くのジャンルの本に触れてもらい、本を聴くということをより習慣にしていただきたい、というのが狙いでした。近年のライフスタイルの変化と聴き放題への移行により、今まで以上に多くのお客様に楽しんでいただけるようになりました。月間の聴取時間では聴き放題以前と現在では260%に(2022年1月時点と2023年5月の比較)。会員数も67%に増加(2022年1月と2023年5月の比較)。これまでより若い世代の方々にも楽しんでもらえています。」(Audible カントリーマネージャー・逢阪志麻氏)
12万以上の対象作品が定額制の聴き放題となったことから、会員は好きなジャンルから、好きなだけ本を選んで聴くことが可能になった。結果、数年前まではビジネス書や自己啓発書がよく聴かれていたが、今ではそれらに加え、小説やライトノベルなど複数ジャンルを楽しむ会員が増えた。Audibleも、書店で書籍を選ぶのと近い感覚で作品が選べるよう、「大賞受賞作品特集」やランキング紹介など、多くの作品に触れるための取り組みを行っている。
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「ラジオやポッドキャストを聴くような感覚で」Z世代に人気に
早川書房は同サービスに2018年から参加。事業本部本部長・山口晶氏は「成長する確信はありました」と語り、こう続ける。「アメリカでは児童書を除く一般書は電子書籍とオーディオブックの売上がすでに同じぐらいになってきています。日本でもやはり紙の本がダントツなのは同じですが、オーディオブックが電子書籍を猛追しています。予想より早く追いついてしまう可能性が高いです」
通常、読書は、能動的行為であり、読み始めると、活字の世界だけに集中する必要がある。だがオーディオブックであれば、家事や育児をしながらの「ながら聞き」ができる上に、ジム、ジョギングなど他の趣味と並行して読書を楽しめる。通勤時の電車の中で本を開かずとも耳で本を聴くことができる。こういったことが現代人のライフスタイルにフィットした可能性がある。
また昨今は配信サービスの広がりにより、寝落ち配信のような「人の声を聴きながらリラックスする」という文化が若い世代を中心に根付いている。特に女性は広い世代で「人の声があると安心する」という声もあるようで、そういった層にも音声コンテンツは向いている。最近のラジオの盛り上がりもまた、オーディオブックの普及を加速させる一因にもなっている。
「特にZ世代はポッドキャストを聴くような感覚でオーディオブックを利用しているという実感があります。オーディオブックによって今までと違う読者にリーチできるのは良かった点です。紙の本が苦手という人こそ、利用してもらいたい」(同氏)
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