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2021.09.19
「セリフの語尾に『だわ』は使わない」子供向け番組の演出に込められた思い
進化するエンタメ
FRaU編集部
日頃何気なく接しているエンターテインメントが、考え方に影響を与えることもあります。影響力の大きいエンタメ作品は、時代ごとにジェンダー観をどう反映してきたのでしょうか。
今回、注目するのは「子ども向け番組」。幼い頃に夢中になったアニメや特撮ヒーロー。そんな子ども向け番組も時代ごとに変化しているといいます。知らず知らず価値観の形成に影響を及ぼしているかもしれない子ども向け番組のなかでも、長い歴史を持つ2つのテレビシリーズの変革を追りました。
自立した女の子像を提示し続ける
プリキュアシリーズ。
2004年から放送がはじまり、現在は18作目の『トロピカル~ジュ! プリキュア』が放送中のプリキュアシリーズ。17年という長い間、子どもたちに支持されてきた理由を初代からプロデューサーを務める鷲尾天さんに聞いた。
「最初の作品『ふたりはプリキュア』をつくるとき、私から監督の西尾大介さんに最初にお願いしたことは、女の子を主役にして本格的なアクションを撮りたいという一点だけでした」
本格アクションにこだわった構成を考えるうちに、現在のプリキュアに通じる軸ができていった。
「ピンチのときに助けにやってくる王子さまの登場はやめ、直面した問題に自分たちで立ち向かう。そんなプリキュア像が定まっていきました」
女の子は大人しくしなさいという暗黙のルールのようなものが充満している社会で、プリキュアの登場はカウンターカルチャーとなり、多くの人に熱狂的に受け入れられた。
「子どもは観たものをすべて受け入れてくれます。だからこそ間違ったことを刷り込んではいけないという緊張感を常に持っています。『女の子なんだからこうしなさい』といったセリフは絶対に入れないし、泣く必要性のないシーンでの涙は描いていません。セリフも『だわ』といった不自然な語尾は使わなくなりました」
===== 後略 =====
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