21/05/02 18:03:36.60 CAP_USER9.net
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古くは「フランケンシュタイン」から「呪怨」「リング」まで、古今東西で様々なホラー映画が生み出されてきた。身の毛もよだつような恐怖映像を見て、スリルを楽しめる人もいれば、苦手意識を持つ人もいるだろう。そんなホラー映画、実は認知症の予防にも効果が期待できるという。一体どういうことなのか。脳内科医が、その意外な効果を語った。
「脳のメカニズムからすると、ホラー映画の鑑賞は認知症予防への効果が期待できます」
こう説明するのは、脳科学・医療の研究開発を行う「脳の学校」代表で昭和大学客員教授の加藤俊徳医師だ。これまでに、胎児から高齢者まで1万人以上の脳を分析・研究した経験を持つ、脳科学の分野における第一人者でもある。
なぜ、ホラー映画が予防に期待できるのだろうか。加藤医師によれば、複数ある要因のうちの一つは、認知症を発症する「位置」に起因しているという。
認知症患者のうち過半数を占めるとされるアルツハイマー型認知症は、においの中枢である「嗅内皮質」周辺が病変をきたすことによって進行するという。そしてこの皮質は、感情の中枢である「扁桃体」を内側から覆っている。
「ホラー映画は、強い恐怖の感情をかき立てるために作られています。ホラー映画から得た視覚情報によって、扁桃体に恐怖の感情を出すよう促すことで、直接接している『病変をきたす箇所』も刺激することができ、代謝を高めることにつながります」
とはいえ、「感情」をかき立てるという点はホラーに限らず、コメディーやラブストーリーなど、すべてのジャンルに共通する。様々なジャンルがある中で、なぜホラーが良いのだろうか。
「一般的にホラー映画は、次に何が起きるのだろうかという『予測行為』をもとに、恐怖をかき立てる場面が多い。ホラーは視覚による出来事記憶のインパクトが強く、前のシーンで抱いた恐怖体験をベースに、次に何が起きるのだろうかと予測することで、不安や恐怖を感じるのです。この予測行為は、脳の働きを促すうえで非常に有効です」
加藤氏は、主に8つの機能に分かれた「脳番地」という概念を提唱している。目で見た情報を集積する「視覚系脳番地」のほか、聴覚系、感情系、記憶系、伝達系、運動系、思考系、理解系がある。前述の予測行為は、理解系の脳番地で保持された情報をもとに、思考系の脳番地が働くことでなされる。
「受け身の姿勢よりも、『次はこうじゃないか』といったように、自分で主体的に恐怖感を作り出す予測行為の方が、たくさんの脳番地を刺激するので効果的なのです」
「仲間に憑依」「テレビ画面から飛び出す霊」「死を招く携帯の着信」といったように、ホラー映画はあの手この手を使い、予想外の展開で恐怖をかき立てる。「心霊現象をはじめ、人知を超える現象は、人間の想像力をかき立てます。ステイホームで生活がマンネリ化して刺激が乏しくなりがちな中で、ホラーは普段と違う角度から脳を刺激する。日常で使っていない脳番地を活性化させることができるので、認知症予防にもつながりやすい」
ただ、ひとたび認知症を発症してしまうと、予測行為や感情の働きが鈍くなり、ホラー映画を楽しむことが難しくなるという。
「つまり、ホラー映画が理解できるかどうかは、自分が認知症の症状を有しているか否かを判断する一つの指標になるでしょう。認知症が進むと、他者からの感情の受け取りができなくなったり、自分の感情が分からなくなったりします。定期的にホラー映画を見ることによって、自分がいま、楽しめているかどうかを意識してみると良いと思います」
ひと口にホラー映画といっても、作風や構成は千差万別。加藤氏は認知症予防に最適な「ストーリー構成」についても教えてくれた。
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