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2020年12月3日
映画の興行収入や漫画の発行部数だけでなく、観光など様々な方面で社会現象となっているアニメ「鬼滅の刃」。令和を代表する存在になった作品ですが、そのヒットの過程は、昭和の大ヒットアニメと重なるものがあります。それは、当初の回数が削られるほど低視聴率だった「機動戦士ガンダム」です。
「鬼滅の刃」が最初にテレビ放送されたのは、2019年4~9月と、実は1年以上前になります。時間帯も深夜に放送されたのもあり、視聴する層も限られていました。
ところが、熱心なファンがSNSなどで拡散をし、メジャーな存在になっていきます。そのきっかけとなったのが、2019年3月にアニメ版の1話から5話で構成した特別版の映画上映です。全国11館で2週間だけの上映にもかかわらず、コアなファンの心をとらえ評判が急上昇。注目を集める中で、アニメの本放送がスタートしました。「鬼滅の刃」のように、放送中はそこまでのヒットとならなかったものの、最初に見たファンが伝道師(エヴァンジェリスト)となって社会現象につながっていった例があります。
1979年放送の「機動戦士ガンダム」です。
「機動戦士ガンダム」は、リアルタイムでは低視聴率のため、全52話の予定が43話に圧縮される形で打ち切りとなった過去があります。
第1作「機動戦士ガンダム」は1979年4月~80年1月に全国で放送されましたが、視聴率は1ケタ台(関東地区、ビデオリサーチの数値を集計)とふるいませんでした。
しかし、「ガンプラ」と呼ばれるプラモデルの発売や、テレビ版を再編集した映画の上映などで人気に火が付きます。テレビでも1981年の再放送では視聴率が12%を超えました。
また、「ガンダム」は、それまでの勧善懲悪のロボットものとは一線を画し、敵役のシャア・アズナブルは影のある設定で、主人公のアムロ・レイと戦わざるを得ない経緯が丁寧に描かれます。これは、倒す存在である鬼の過去が見どころの一つになっている「鬼滅の刃」と重なります。
作品の売り上げ以外でも多くのところで社会現象となった点も共通します。「ガンダム」は、言わずと知れた「ガンプラ」が多くの子どもの心をとらえました。2020年5月まで累計約7億個を売り上げ、約半数が海外に出荷されています。東京・台場にある実物大ガンダムは、定番の観光スポットになっています。
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