20/12/01 01:23:02.03 CAP_USER9.net
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藤田和日郎の漫画には、本来は悪役として描かれるような“ワル”が人助けをしたり、時代遅れになった旧タイプがど根性でニュータイプに勝ったりすることで生まれる“意外性”のおもしろさがある。そして、もうひとつ。「普通の人間が怪異に勝つ」という、従来のホラー漫画ではあまり描かれることのなかった独自の展開が、彼の作品を熱く、おもしろくしているのは間違いないだろう。
たとえば、『漫画家本vol.1 藤田和日郎本』(小学館)に掲載されているロングインタビューで、藤田自身こう語っている。
『高橋先生の漫画はすべて好きですが、「闇をかけるまざなし」という短編が特にすごくて。「なんだ、普通の人間が怪異に勝つ話を描いてもいいんだ!」って、まさに目から鱗でした。
『聊斎志異』や『遠野物語』を好きで読んでいたけど、結局人間が怪異に負けるような話が多い。だから高橋先生の漫画を読んで受けた衝撃は、今、自分で漫画を描くすべての基本になっています。』
ここでいう「高橋先生」とはもちろん高橋留美子のことだが、たしかに、それまでの(というかおそらくは現在でも)多くのホラー漫画において、「普通の人間」はたいてい怪異の犠牲になるだけで、それに勝てるのは常に、異能を持った選ばれしヒーロー(ヒロイン)だけだった。だが、(「闇をかけるまなざし」をはじめとした高橋のホラー短編群に“啓示”を受けた)