20/07/29 11:36:47.83 CAP_USER9.net
来年3月の開始を予定しているサッカーの2022年ワールドカップ(W杯)カタール大会アジア最終予選で、日本代表の試合の地上波テレビ中継が暗礁に乗り上げている。これまで放映権を持っていた、テレビ朝日は契約満了で撤退。アジアサッカー連盟(AFC)が来年から8年間の放映権契約を、香港が本社の代理店と2000億円超という途方もない金額で結んだため、日本のテレビ各局は二の足を踏まざるを得ない状況だ。日本協会も4年に1度のドル箱を失う危機に、焦りの色を濃くしている。(編集委員・久保武司)
新型コロナウイルスに続いて、日本サッカー協会にダブルパンチの非常事態だ。4年に1度、日本列島を大いに沸かせてきたW杯切符を懸けた最終決戦が、最悪の場合、地上波で放送できない可能性が浮上している。
コロナ禍で中断中の2次予選F組で、首位につける日本の突破は確実な情勢。ただ、最終予選は来年の話だからといって、のんびり構えている関係者などいない。半年前の段階で地上波の放送予定が未定というのは、明らかに異常な状況だ。
これまでテレビ朝日が視聴率アップの柱として、「絶対に負けられない戦い」を大々的に放送してきたが、契約満了に伴い撤退。AFCの契約更新の時期には毎回、テレ朝と他局の激しい放映権争いが繰り広げられてきたというのに、せっかく空いた席にどこも名乗りを上げないのだ。
この無風状態を引き起こした原因は、AFCが提示した新たな放映権契約にある。今回は「中東圏を除く全世界でAFC主催試合を放映できる」ことが売り文句。推定総額20億ドル(約2100億円)という超大型の8年契約で、スイスと中国の合弁企業「DDMCフォルティス」と合意した。日本のテレビ局が放送するには、同社との交渉が必要になる。
民放関係者は「サッカーW杯の最終予選となれば、20%以上の視聴率も期待できる。これまでとほぼ同じ放映権料なら、手を挙げるところはあると思う。しかし、とても太刀打ちできる金額ではない」と苦虫をつぶす。
テレ朝がAFCと結んできた放映権契約は、最高でも4年総額で170億円台。あまりのケタ違いで、契約更新を見送らざるを得なかった。この余波で、2002年から18年間続いてきた同局の長寿サッカー番組「やべっちF.C.~日本サッカー応援宣言~」も、「8月いっぱいで打ち切りが決定的」(テレ朝関係者)。AFCの映像を「PR素材」として放映できなくなったのが、致命傷となった。
日本協会も懸念を強めている。今や国民的行事のW杯最終予選が、テレビ地上波で流れないとなると、告知やPRが弱まる問題にとどまらない。協会に入る億単位の放映権料も大幅減額となる。代表戦は人気も手伝い、親善試合でも1試合1億円が最低価格。最終予選はさらに高値だったが、ビジネスモデルが根底から崩壊しかねない。
日本の代理店は窮余の策で、AFCが主張する8年契約の半分となる4年契約の妥協案を打診も、AFC側は「8年契約は譲れない」と強気一辺倒。日本協会は最終予選を含む代表戦の配信契約の検討にも入ったが、民放関係者は「配信になったら地上波で代表戦は一切、放送できなくなる。代表人気は確実に低下すると思います」と警鐘を鳴らす。地上波から消えたコンテンツは、国民的な人気を維持できない。日本サッカー界の未来が危機に瀕している。
ヤフーニュース 配信元は夕刊フジ 2020.7.28
URLリンク(news.yahoo.co.jp)
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