20/04/15 14:14:56 DpG86HlD9.net
「日本野球界の悪習」として古くから指摘されてきたのが、喫煙の問題だ。米球界、他のスポーツと比べても圧倒的に喫煙者が多いといわれている日本野球界。法改正、条例制定などで、喫煙、受動喫煙がマナーではなくルールで縛られる時代が到来し、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染、重症化への悪影響の可能性が指摘されている。スポーツライターの広尾晃氏は、日本のプロ野球、野球界全体に根強く残る“喫煙文化”に疑問を呈し、「いまこそ日本野球界は全面禁煙を」と訴える。(文=広尾晃)
新型コロナ禍に改めて注目される「喫煙リスク」
新型コロナウイルス禍は、とどまるところを知らない。もはやNPBもJリーグもいつ公式戦をすることができるのか、見通せなくなっている。
このところ、話題に上っているのは、新型コロナウイルス感染症への「喫煙者に対する煙のリスク」だ。
日本を代表するコメディアン、志村けんさんの死は日本中を悲しませたが、彼は数年前まで1日60本というヘビースモーカーであり、2016年には肺炎で入院していたことが報道され、COPD(慢性閉塞性肺疾患)ではなかったかともいわれている。
COPDは、長年にわたる喫煙を主因として、肺が炎症を起こしてその機能を損なう病気だ。COPDの病歴を持つ人は、新型コロナウイルスに感染した時に重篤化しやすいとされる。
日本のプロ野球はいまだに「愛煙家の巣窟」
そういうことを考えるにつけ、筆者は憂鬱になる。取材対象とする「日本野球界」は、今に至るも「愛煙家の巣窟」だからだ。
NPB各球団の本拠地は、すべて禁煙となっている。観戦者が喫煙したければスタジアム内の喫煙スペースに行く以外に手はない。東京ドームなどはビニールのカーテンに仕切られた半ば屋外で、人々は肩身が狭そうにたばこを吸っている。
しかし、選手たちはそうではない。多くの球場ではダッグアウト裏には小さな喫煙スペースが設けられている。そこには灰皿が設置され、換気扇が回っている。選手は試合の合間にここに立ち寄っては、一服していくのだ。
およそ今時のスポーツで、試合の最中にたばこを吸うことができるのはプロ野球だけではないか?
球団は、誰が喫煙しているかを明かさず、新聞系のメディアも報道しない。以前、巨人の原辰徳監督が「岡本和真は禁煙しないと」と発言したことが報じられたが、そういう形で漏れ聞こえるだけだ。しかしプロ野球選手の喫煙率はいまだに高い。
筆者は各球団が催す野球教室や普及教室の取材をよくする。選手や指導者たちは、子どもたちの目線になって、本当に熱心に指導をする。その光景は感動的ですらあるのだが、彼らの多くは休憩時間になると喫煙室にたむろして、一服するのである。
筆者に喫煙習慣はないが、いい歳だから、大人がたばこを吸う姿は見慣れている。しかし平成この方、人前で堂々とたばこを吸う姿を見る機会は、どんどん減ってきている。プロ野球のユニホームを身にまとった偉丈夫たちがたばこをくゆらせるのを見ることに、ちょっとしたショックを受け、「子どもたちやお母さんにこの姿は見せられないな」と思う。
URLリンク(headlines.yahoo.co.jp)
4/15(水) 12:24配信