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リアルサウンド
12/31(火) 6:00配信
綾瀬はるかが、2019年の大晦日、3度目の『NHK紅白歌合戦』の司会を務める。今年はCMに引っ張りだこではあったが、女優としての出演作は大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~』(NHK総合、以下『いだてん』)のみで、映画はなし。それでも私たちの頭から綾瀬はるかが消えることはなかった。これほどまで自然に「国民的女優」の名が定着した綾瀬について話を聞きたいと、ライターの麦倉正樹氏に急遽依頼。クリスマスの夜、煌めく街を背中に麦倉氏は瞳に輝きを灯し、「彼女は無敵だ」と言い放つと、次のように論考した。
「綾瀬さんは透明感のある、ナチュラルなイメージが昔からずっと定着していますよね。ただ、『ホタルノヒカリ』や『きょうは会社休みます。』(ともに日本テレビ系)など、ある時期までは、仕事と恋愛に悩むアラサーOLの役をコミカルに演じていた印象があるのですが、いつの間にか近年の出演作では、『奥様は、取り扱い注意』(日本テレビ系)で西島秀俊さんの妻役、『義母と娘のブルース』(TBS系)で竹野内豊さんの妻であり、その後は上白石萌歌さんの母親を演じるなど、妻や母親という役も違和感なく演じられるようになっています。その集大成が今年出演していた『いだてん』ではないでしょうか。中村勘九郎さん演じる四三の初々しい恋人であり、大竹しのぶさんの義理の娘であり、物語に進むにつれて、嫁、母になっていった。何もない草原を自転車を漕ぎながら『会いたかばってん~』と歌う娘時代の感じも、なんかハマってましたよね(笑)。娘であり恋人であり妻であり母である……今の綾瀬さんは、ある意味、無敵と言ってよい状態なのではないでしょうか」
また、『奥様は、取り扱い注意』のアクションに魅せられたという麦倉氏。演じる役柄の幅を広げる上では大きな挑戦だったと、感慨深げに語る。
「かつては、身体を動かせる女優というイメージはなかったのですが、『精霊の守り人』(NHK総合)で本格的にアクションに挑戦したことは大きかったんじゃないでしょうか。その身体の動かし方を『奥様は、取り扱い注意』でも生かせたのだと思いますし、動ける女優さんになれたのかなと。時代劇もできて、昔ながらの映画女優のような古典的な面影もあって、アクションもできて、奥さんも母もできる……やっぱり無敵ですね。それらの役を、いわゆる“生活感”のようなリアリティの説得力ではなく、ある種の“憧れ”を視聴に抱かせたまま、違和感なく演じることができる、稀有な存在だと思います。彼女の役にリアリティ、生活感があるというのではなくて、視聴者が憧れの気持ちを持ちながら見れる存在なのかなと思います」
また、クリスマスイブにInstagramの投稿で話題になった綾瀬と深田恭子の写真を見て微笑みを浮かべた麦倉氏は、先輩の存在も彼女に影響を与えていると優しい表情で語り始めた。
「事務所の先輩である深田恭子さんが、近年ドラマに映画にCMにと大活躍しているのも、綾瀬さんに良い意味で刺激を与えているのではないでしょうか。深田さんも『隣の家族は青く見える』(フジテレビ系)で、松山ケンイチさんを夫に持つ女性を演じたり、『空飛ぶタイヤ』で子どもを持つ母の役をやっていたり、『初めて恋をした日に読む話』(TBS系)で横浜流星を射止めるヒロインを演じたりと、実に幅広い役をこなしています。そういう先輩が近しいところにいることも、きっと彼女にとっては心強いのではないでしょうか」
麦倉氏は、綾瀬のキャッチフレーズを「肝の据わった天然のドジっ子」と命名。「スケジュール的には厳しそうですが、『海街diary』のような映画にまた出てほしい」と願望を語っていた。『紅白歌合戦』放送後も、年明けて1月1日は『笑点』(日本テレビ系)への出演、2日は『義母と娘のブルース』新年SP(TBS系)が放送される。オリンピック関連のCMにも多く出演しているだけに、綾瀬の2020年は忙しくなりそうだ。
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