19/03/26 13:01:25.46 6a3naB7s9.net
最近、「自虐」を前面へ押し出すことで、世間の関心を集める、いわゆる「自虐マーケティング」が大盛り上がりしている。
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という話を聞くと、「じゃあ、ウチもさっそくやってみよう」と思いたつマーケティング担当者も多いかもしれないが、気をつけていただきたいのは、この自虐マーケティングには決して踏んではいけない「地雷」があるということだ。
それを理解せずに安易な自虐に走ってしまうと大火傷、最悪、世間からボコボコに叩かれて、謝罪に追い込まれてしまうこともある。
では、そんな恐ろしい「地雷」とは何かというと、「女性」だ。女性をテーマにした自虐ネタや、SNSのキャンペーンなどは、かなりの確率で失敗しているのだ。
■「#自社製品を自虐してみた」が話題に
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■地方の「自虐」は「自慢」の裏返し
さて、ざっとこれまで「成功」とされてきた自虐マーケティングを見てきたが、ある共通点があることがお分かりだろう。それは、「自分自身をネタにする」というユーモアと、「とか言いながらも、結局は大好きなんですよ」という「愛」である。
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■炎上してしまった「午後の紅茶」
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中でも致命的なミスは、自社製品である「午後の紅茶」をネタにしてないことだ。「午後の紅茶を飲んでそうな女性」という他者をイジってしまっていることで、「自虐」ではなく「他虐」になってしまっている。
日清が過去にまったく売れなかった3種類の商品を再発売して、「今度こそ売れて欲しい 黒歴史トリオ」などと特設サイトをつくって話題になったが、「自分」はいくらでもネタにしていい。しかし、「客」は他人なので、それをイジるのは単なる「他虐」なのだ。
そして、このような他虐のワナに最も陥りやすいテーマが「女性」なのだ。
企業や自治体としては、あくまで「自分自身をネタにしている自虐ネタ」という意識があっても、そこに女性を絡ませてしまうと、受け取る側からすると、「女性をディスる他虐ネタ」と見えてしまうのだ。
分かりやすい例が、「ちょうどいいブス」だ。
■自虐トレンドは続く
「ちょうどいいブス」というのは、お笑いコンビ「相席スタート」の山崎ケイさんがよく使う自虐ネタで、『ちょうどいいブスのススメ』という著書もヒットしている。
この人気を受けて今年1月、日本テレビが同名タイトルのドラマを制作すると発表したところ、批判が殺到して結局、『人生が楽しくなる幸せの法則』に改めたことがあった。
考えてみれば、これは当然で、山崎さんが自身のことを「ちょうどいいブス」と言うのは、自分自身をネタにしているのでいくらやっても問題ない。しかし、日本テレビというアカの他人が言うと、まったく意味合いが変わってくる。
どういう言い訳をしても、「世の中にはこういう女性っているでしょ、ほら、そこに目をつけたこのドラマって面白いでしょ」という調子で、「女性をネタにした他虐」になってしまう。そうなれば、不快に感じる女性や、傷つく女性も出てくるのも当たり前なのだ。
ご存じのように、PR動画やプロモーションで「炎上」をしている企業や自治体は、その動画やキャンペーンに「女性」を起用していることが多い。壇蜜さんに亀をなでさせたり、養殖ウナギを女子高生に見立てたり、あるいは出張中のビジネスマン目線で、お近づきになったご当地美女に、「肉汁いっぱい出ました」とか言わせたりするなど、「女性をネタ」にするパターンが非常に多いのだ。
もちろん、女性を出演させたり、題材にするななど言っているわけではない。自分たちをネタにしなくてはいけないところ、「女性」に主として頼って、いつの間にか主従が逆転することが問題だと申し上げたいのである。
『翔んで埼玉』があれほどヒットしたことを考えれば、企業や自治体の「自虐トレンド」はこれからもしばらくは続くはずだ。そこで余計な「炎上」を避けるためにも、マーケティング担当者の方は、動画やキャンペーンで「女性」をどう扱うのか、慎重に検討していただきたい。
ポイントは、そこに男目線のユーモアだけではなく、ちゃんと女性への「敬意」と「愛」があるのか。誰かを傷つける「他虐」になっていないのか。「イジり」と「イジメ」は紙一重だ。企業や自治体には、誰かをさげすむようなものではなく、みんなが笑える「自虐ネタ」を期待したい。
3/26(火) 10:48
ITmedia ビジネスオンライン
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