18/11/28 07:21:10.98 CAP_USER9.net
思えば、2年前の忘年会は“恋ダンス”一色だった。その流行を生んだドラマ、「逃げ恥」の新垣結衣(30)と脚本家が再タッグを組んだ「けもなれ」。日テレは大ヒット作の再来を期したのだろうが、どうにもパッとしない。「けもなれ」に、なにが欠けているのか。
2016年のTBSドラマ、「逃げるは恥だが役に立つ」は、新垣と星野源(37)のW主演。脚本は野木亜紀子である。最終回では、録画分も加味した総合視聴率で33・1%を叩き出したお化けドラマだ。
その主演女優と脚本家の最強タッグが日テレに“移籍”。この10月から、新垣と松田龍平(35)のW主演で、「獣になれない私たち」がはじまった。しかし視聴率が振るわない。初回こそ11・5%だったものの、その後は8%前後。第6回で、ようやく10%の2桁に乗った。
負け組ではないが、この程度に甘んじる理由を、「逃げ恥」にあって「けもなれ」にないもの、こうした視点から整理していきたい。
まずは基本的な視聴率について、芸能担当記者の話。
「『逃げ恥』の初回は10・2%でした。『けもなれ』のほうがいいんです。でも、『逃げ恥』の2回目以降は12、13と上がっていき、最終話の第11回が20・8%となります。一度たりとも、前回より数字が下がらなかったんですよ」
「けもなれ」の推移は、初回を見た視聴者が離れていったことを意味する。
焦点が定まらない
では、なぜ離れるのか。テレビドラマ研究家の古崎康成氏が語る。
「星野源には意外性がありました。多くの視聴者が“この人、誰?”と新鮮に感じたでしょう。なにより彼が“恋ダンス”の曲の歌い手だったことで、その組み合わせの面白さと相乗効果があったのだと思います」
このあたりは、やはりTBSがうまいという。
「『下町ロケット』に古舘伊知郎を起用して興味を惹いたりしていますよね。もちろん松田龍平はいい役者ですけれど、『けもなれ』では、ワイルドで気難しい性格の役柄。目新しさがありません。“恋ダンス”に相当する仕掛けもないですし」
星野源がいない、意外性に欠ける、といったところか。コラムニストの林操氏の見方はこうだ。
「主人公に感情移入しにくいのでは。ガッキーの演じる女性は、仕事も私生活も、あまりにキツい。可哀想すぎます。松田のエリート会計士も重い過去を背負っています。リアリティーにこだわる野木さんの脚本がうまくできているので見続けているのですが、『逃げ恥』の明るい世界観とのギャップの大きさを感じます」
ライターの吉田潮氏も、
「両ドラマの違いは、分かりやすさ、でしょう。『逃げ恥』は斬新な結婚の形を描き、新しいテーマを分かりやすく提示していました。一方の『けもなれ』は、人物設定に要素が詰め込まれ過ぎていて、焦点が定まらない感じがします」
星野源、意外性、感情移入、分かりやすさ。これらの改善でヒットするのか。先の古崎氏は言う。
「ドラマとして良質であることと、テレビ的に数字が取れることは必ずしも一致しません。真面目に作るだけでは限界があり、突き抜けるためには、目新しい仕掛けが必要だと思います」
最終回まで折り返し地点を過ぎた。上昇するための時間もさほど残っていない。
「週刊新潮」2018年11月29日号 掲載
11/28(水) 5:58配信 デイリー新潮
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