18/11/20 16:20:47.82 CAP_USER9.net
現在のロブ・マンフレッドMLBコミッショナーは就任以来、子どものファンにいかに野球を好きになってもらうか、ファンの数を増やすかを大きな課題に掲げてきた。しかしながら、MLBの試合は近年長くなる一方。プレーオフになると4時間が普通だ。そんなに長くスタンドの観客席で、子どもに辛抱強く試合を見続けさせるのは不可能に近い。
いかに退屈させず、楽しい時間を過ごさせ、また球場に来たい気持ちにさせるか、各球団は工夫を凝らす。ワールド・シリーズ中、レッドソックスの本拠地であるフェンウェイ・パークで、ライトポールの裏に「キッズ・コンコース(子ども広場)」があるのを見つけた。
竹馬に乗り、ラッパを鳴らし、エスコート役のジョー・ホワードさんが出迎える。帽子は野球のボールと芝生の柄を貼り合わせた楽しいデザインだ。「公式戦はもっと子どもが多いんだ。みんなの笑顔を見るのが好きだね」。
一番大きな人だかりができていたのは「SOX VR(バーチャルリアリティ)ホームランチャレンジ」だった。VR用のゴーグルを付け、バットに見立てた短めの棒を持ち、ケージの中の打席に立つ。子どもの見えている仮想現実の世界は、ケージの外で見守る親御さんもモニターで見られる。ホームランを打ったかどうかも分かる。「見てた? ホームラン打ったよ」と得意げな子どもたちの笑顔を、スマホで撮影している。
MLBのダグアウトにいる気分になれるVR「HOW FAST CAN YOU THROW(あなたの球速は?)」のスピードピッチのコーナー。あちこちで叫声が上がっていた。キッズ・コンコースには、キッドネーションプログラムのブースがあって、新会員を募っていた。レッドソックスネーション(レッドソックスの国)にちなんだネーミングである。
担当のケラー・ディナンさんは「メンバーになればいろいろ特典があります。大人がチケットを買ったら、子どもは無料になり、家族で来やすいとか、チームストアで買い物をすればすべて10パーセント割引だとか、レッドソックスがスポンサーする野球キャンプに半額で参加できるとか、試合前の選手の打撃練習を近い距離で見られるとかですね」。
オリジナルのバッグや水筒ももらえる。現在、2万人の子どもが登録しており、Eメールでニュースレターも届く。プラス「LOYALTY POINT(忠誠ポイント)」もリピーターを増やす上手なアイデア。球場に来る、球場内のアクティビティに参加する、家で中継放送をラジオで聞く、そのたびにポイントがつき、点数が貯まれば、球団からサイン入りボールや、チームストアのギフトカードが送られてくる。
熱心なファンはさらに熱心になっていく。1916年ワールド・シリーズ第2戦、ドジャースの前身ロビンズとレッドソックスが相まみえたのだが、あのベーブ・ルースが14回完投で勝利投手になった。その試合は14回で長い試合だったはずなのに2時間32分で終わったそうだ。
もちろん当時と今では試合のテンポがまったく違う。娯楽の多様性など、子どもたちを取り巻く環境も大きく違う。そんな中で、いかに子どものリピーターを増やしていくか。工夫を続けているのである。
11/20(火) 16:04配信 ベースボールキング
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