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「週刊文春」編集部2分前
五輪4連覇中の金メダリスト、伊調馨(33)が告白した、日本レスリング協会の栄和人強化本部長(57)によるパワハラ問題。「週刊文春」が3月1日発売号で第一報を報じた後、特別取材班の元には、栄氏の教え子から「#MeToo」の訴えが多数寄せられ、10名を越える至学館関係者がその被害を明かした。
「栄監督は私たちが思い通りに動けないと、『死ね』、『レスリングができないようにしてやろうか』と怒鳴り散らす。選手の頑張ろうという気持ちを踏みにじり、人格を否定するんです」
パワハラ被害を明かすのはA子さん。全国大会で優勝経験のある中京女子大学(現・至学館大学)の元選手だ。A子さんは伊調や吉田沙保里と同じ頃に中京女子大に在学していたが、「パワハラは日常茶飯事でした」と証言する。
A子さんが受けたのは言葉の暴力だけではなかった。
「全日本選手権で負けてしまった時には、他の選手が見ている前でビンタや蹴りを入れられました。もちろん誰も止められません。大学時代の全日本合宿の前には、先の割れた竹刀で太ももの裏を何度も何度も叩かれました。20センチくらいのミミズ腫れとなり、お腹や鼻にも切り傷ができました。他の子から『証拠を取っておいたほうがいいんじゃない?』と言われるほど酷い傷でしたが、周囲には『転んだだけ』と口を濁すしかありませんでした」
栄氏の度重なるパワハラはA子さんの心にも大きな傷跡を残した。
「パニック障害のような症状が出るようになったのです。ある時期は栄監督から名前を呼ばれただけで蕁麻疹が出た。頭の中が常に恐怖心でいっぱいになるんです。電車に乗るのも息苦しかった。レスリングのホールドと同じように体を圧迫されるので、病院でのMRI検査を受けることができませんでした。誰かが手を挙げただけで、反射的に自分の身をかばうような動きをしてしまうこともありました。今でも1人でいると、たまに症状が出てしまいます」
至学館大学を通じて栄氏に事実確認を求めたが、回答はなかった。
3月15日(木)発売の「週刊文春」では、A子さん以外の教え子に対する暴力を含むパワハラ、悪質なセクハラ、さらに栄氏が日体大在学中に起こした傷害事件についても被害者本人の証言を交え、詳報している。
内閣府に提出された告発状
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