16/08/05 19:10:59.35 CAP_USER9.net
◆パッケージ提案の作戦勝ち
＜解説＞ 国民的スポーツの野球・ソフトボールを採用させるため、東京五輪組織委員会とＩＯＣ執行部が手を組み、考え抜いた「作戦勝ち」だった。
今年三月、五輪の実施競技や種目を審議するＩＯＣプログラム委員会では、野球に批判的な意見が相次いだ。ＩＯＣ委員が多い欧州やアフリカでは人気があるとは言い難い。また米大リーグ機構（ＭＬＢ）はシーズン中のため参加は厳しく、世界最高峰の大会になるのか疑わしい。
加えて、組織委は参加チーム数を六チームと提案していたが、五輪憲章には出場チーム数は「十二チームを超えてはならず、八チーム以上でなければならない」と記されている。組織委の関係者は「国内の盛り上がりのためには野球が絶対に必要。だが、ＩＯＣ内では五輪競技としての野球を疑問視する声が多く、瀬戸際だった」と明かす。
追加種目の提案は五輪への立候補都市が減少していることに危機感を抱いたＩＯＣ執行部が、開催都市にメリットを与えるため二〇二〇年東京大会から導入を決めた。提唱したのはＩＯＣのバッハ会長だ。今回が初めてのため、審議の仕方や選考方法も手探り。競技ごとの投票となれば、野球・ソフトが落選する可能性があった。そこで、五競技十八種目をパッケージとして一括提案。若者重視のＩＯＣ委員がスケートボードやサーフィンが含まれている案を否決することはない。妙案だった。
「野球が落選したら、開催都市の東京にとって追加種目のメリットがなくなる。ＩＯＣ執行部がパッケージ案を根回ししてくれた」と組織委関係者は胸をなで下ろした。
六月のＩＯＣ理事会で、今回の総会で五競技を一括提案することが確定。この時点で、〇八年北京大会以来となる復帰は事実上、決まっていた。 （森合正範）
URLﾘﾝｸ(www.tokyo-np.co.jp)