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２０２０年東京五輪・パラリンピック組織委員会が東京都以外に会場がある６道県、４政令市に示した開催費用の試算で、追加競技の野球・ソフトボールの横浜スタジアム（横浜市）とサーフィンの釣ケ崎海岸（千葉県一宮町）の開催費用を少なくとも計約１２０億円と見積もっていたことが分かった。他の１１会場の１６００億円超と合わせて、東京都以外の開催費用の総額は現時点で１７００億円を超えることになる。
仮設整備費と運営費の合計で釣ケ崎海岸は約７５億円、横浜スタジアムは約４７億円となっている。サーフィンは２日間の競技日程で出場選手数は男女計４０人。海岸に観客席を仮設して、国際オリンピック委員会（ＩＯＣ）の最大の顧客となるテレビ局の中継用に通信回線の敷設などが含まれる。野球・ソフトボールの会場はプロ野球ＤｅＮＡの本拠地として実績は十分だが、テレビの映像に配慮して、定められた明るさを確保しなければならず、照明の仮設を見込む。
ただし、追加競技の会場は、昨年１２月のＩＯＣ理事会で承認されたばかりで、サーフィンは五輪初採用で、野球・ソフトボールも３大会ぶりの復帰となる。過去の五輪から試算の参考にできる数字が乏しいため、輸送や警備など運営費の主要項目は含めていない。費用は増える可能性が大きいが、ＩＯＣの基準を満たすことの妥当性を検討することで削減できる余地もある。
ＩＯＣは巨額の開催費用を敬遠して五輪への立候補都市が減っている危機を立て直すため、中長期改革「アジェンダ２０２０」を採択した。開催都市が望む競技の追加提案や既存施設の活用による開催費用の削減策で招致の意欲を促したが、初のケースとなる東京五輪でも費用の増加に歯止めがかからず、２４年夏季五輪を招致していたブダペストは住民が反対して撤退した。
東京都以外の会場では、野球・ソフトボールで横浜スタジアムのほか、福島県での開催も計画しているが、球場が決まっておらず、試算の対象になっていない。都外の開催費用の総額はまだ流動的となっている。【田原和宏、松本晃】
毎日新聞 2/24(金) 7:00配信
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