17/02/07 20:38:10.34 CAP_USER9.net
熊崎コミッショナーは、五輪イヤーとなる16年が、野球界にとって重要な1年になると位置付ける。8月には20年東京五輪の種目復活を控える。3月には侍ジャパン強化試合(対台湾)が2試合。来年3月にはWBCが開催される。
「やっぱりベストチームだよ。ドリームチームをつくって、オリンピックの中に野球が取り上げられて、国民が拍手喝采できるような、そんな試合を展開してほしい。オリンピックの種目復活に向けて、今は大事な期間だと思う。国際試合をやって内外に野球のすごさを広げていくためには、各球団シーズンの充実はもとよりだけどね、国際試合というものにも、きちんと意思を持ってやっていかないといけない」
20年の東京五輪では、参加が従来の8チームではなく、縮小した形の6チームで行われる可能性がある。
「6チームかどうかもまだ確定ではない。決め付けられない部分はありますが、やはり野球が2020年だけじゃなくて、その後も永続的に続けられるようにすることがすごく大事なこと。やっぱり夢を持たないとダメ。特にスポーツ界は夢を持たないと。何でもそう。夢を持って、その夢に向かってどこまでアプローチできるかだから」
未来の野球界のために、国内の野球振興だけではなく、海外に向けた野球振興にも力を入れる。昨年3月には、野球界ではなじみが薄い欧州代表戦を行った。
「侍ジャパンがヨーロッパと試合をやるなんて、っていう意見もありましたよ。しかし私はね、声高らかに反論しましたよ。何を言ってるんだと」
そこには、五輪復活を含めた、野球振興への明確な狙いがあった。
「ヨーロッパは、サッカーが盛んじゃないですか。どうしても野球はアメリカ、アジア、中南米が中心。ヨーロッパと試合することで、どういう効果が出るか。あれ(欧州代表戦)はユーロスポーツTVで中継されて、ヨーロッパ50カ国以上で見ることができるようにしたんです。ヨーロッパ各国の野球機構のトップがみんな集まって会議(※注1)もやりましたよ。野球と言えばMLBの方を見ていたけど、日本でこれだけ素晴らしい野球運営ができて、こんな素晴らしいスタンドがあって、観客が集まって、スポーツ新聞を含めて、これだけの取り扱いがある。日本の高度な野球文化を初めて知ったという発言もありましたよ。うれしかったね、やっぱり。そういう地道な積み上げが、野球の世界振興につながる」
侍ジャパンを通じて、野球のグローバル化を推し進めていく。さらに、「もう1つ重要なこと」と言って、将来のための日米共通の問題点を付け加えた。
「親御さんが、安心して子供を預けられるような野球界をつくっていかないといけない。これは絶対に大事。アメリカでは肘とかを痛める確率は高いと言われている。マー君やダルビッシュ君も、肘を痛めたりする。やっぱり(米国と)共通の課題だから。肘とか肩とかを痛めるということは、野球を発展させるための阻害要因。だからそういうことに対して共同研究、情報共有しましょうよという話が一昨年決まった(※注2)。防ぐためにはどうしたらいいかということを、野球界全体で考えていかないといけない」
より良い球界にするために―。発展を願う思いの根底には、岐阜で過ごした少年時代がある。石ころに麻糸を巻いてカチカチの〝ボール〟をつくり、棒切れのバットで走り回った。プロ野球選手の顔写真が入ったメンコに夢中だった。「僕は野球は下手くそだけど、好きやった。田んぼの中でやる、まさに草野球、田んぼ野球ですよ」。それが、熊崎コミッショナーの原風景。20年の東京五輪、さらにその先の未来へ、取り組むべき課題は数多い。「あれもやりたい、これもやらなきゃと思うんだけど、まあコミッショナー、30年ぐらいやらないとダメだな」。最後はそう笑って言って締めくくった。