17/02/01 00:38:25.18 CAP_USER9.net
ブラジルのサッカーの聖地として知られ、昨年のリオデジャネイロ五輪のメーン会場にもなったマラカナン競技場が昨年末ごろから、荒れ放題の状態に陥っている。華やかな夢の舞台から一転。五輪サッカー決勝で披露した緑の芝ははげ落ち、現地の治安悪化に伴い、施設内での盗難被害が相次ぐ。地元政府の財政難の余波で管理責任が不透明になったことが原因。数カ月間の電気代未払いのために停電も余儀なくされた。散々な状況に「五輪のレガシーは消えた」「見捨てられた聖地」との声が広がっている。(佐々木正明)
「スタジアムの将来をめぐる懸念は増すばかりだ」
今年1月10日、リオデジャネイロサッカー連盟は声明を発表し、五輪閉幕後に陥ったマラカナン競技場のあまりにも痛々しい荒廃ぶりを嘆いた。
・泥棒が入り放題に
地元メディアによると、施設内には泥棒が入り放題で、建物の窓ガラスは割れ、貴重な装備品の数々が持ち運び出されている。
判明した被害だけでも、2つの銅像に2つのテレビセット。さらに消火器やケーブルなども盗まれてしまった。リオでは五輪・パラリンピック閉幕後、ブラジルの深刻な不況に伴い、治安が悪化している。
リオ・サッカー連盟は地元警察に緊急措置を取るよう要請したが、地元警察官も五輪開催中の超過勤務手当が未払いのために、度々ストライキを決行。窃盗団の徹底的な取り締まりができないでいる。
マラカナン競技場は2014年サッカーW杯の開催準備のため、日本円で数百億円をかけて改修された。昨年のリオ五輪では開会式と閉会式の舞台となり、華やかなスポーツの祭典の様子は全世界に中継された。
それから半年もたたぬ間に、マラカナンは変わり果てた姿をさらけ出す。水まきが定期的にできなかったため、緑の芝は一部ではげ、8万席のうち、7千ほどの座席がない状態。施設内の天井や壁には至るところに大きな穴が空き、旅行者向けに行われていたスタジアム見学ツアーも中止されたままだ。
・ジーコ主催のチャリティーマッチが最後
最後に使用されたのは昨年末のサッカーの試合だった。リオ出身で現役時代、「マラカナンの英雄」と呼ばれたジーコ元日本代表監督が、旅客機墜落事故で犠牲になったシャペコエンセを救うためにチャリティーマッチを開いた。
しかし、今はサッカーができるピッチの状態ではなく、今季、公式戦が開催できるかどうかは不透明だという。リオの人気チーム・フラメンゴの広報担当者は地元メディアに対して「関係当局が早期に解決に乗り出すべきだ」と訴えた。
サッカーの聖地が荒廃してしまった原因は、競技場の管理責任が曖昧になった点が上げられる。競技場はリオ州の所有だが、2013年に運営権は長期契約で民間会社に移った。
この民間会社はリオ五輪・パラリンピックが始まる前に、運営権を大会組織委員会に貸し出したが、閉幕後、大会組織委は契約に基づき、競技場を元の状態に戻していないと主張。一方、大会組織委は「競技場の現状には全く過失はない」と反論しており、議論は平行線をたどっている。
電気代の支払いをめぐっても、大会組織委と民間会社は互いに責任をなすりあっている。
財政難のリオ州も対策に乗り出すことができずにおり、地元紙は「スタジアムの未来は暗闇に包まれている」と報じている。
2017.1.30 12:00
URLリンク(www.sankei.com)
URLリンク(www.sankei.com)
URLリンク(www.sankei.com)
URLリンク(www.sankei.com)