17/01/23 17:47:38.42 CAP_USER9.net
野球の国別対抗戦、第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が3月に開催される。
3月6日に韓国・ソウルで行われる韓国-イスラエルを皮切りに東京、メキシコ、米国で1次、2次ラウンドが戦われ、22日に米ロサンゼルスで決勝戦。
マウンド上の大谷(日本ハム)が歓喜の雄叫びをあげる姿などに思いをはせるなど今から楽しみに思っているプロ野球ファンも多いだろう。
米国は冷めたまま
もっともWBCに対しては日本と韓国、カリブ海周辺国以外あまり熱がこもっていないことも知られたところで、
今回、ついに「17年大会で消滅」との報道が米国で流れた。
昨秋、スポーツ専門局ESPNの記者が「十分な収益が上がらない限り、今大会で終了の可能性」とツイートしたところ
全米各メディアが一斉に反応したためで、米国では「そろそろ危ない大会」という共通認識があるようだ。
WBCが国際大会にもかかわらず、米大リーグ機構(MLB)と同選手会という一国の組織を中心に運営されていることが問題で、
これでは競技の国際的普及より目の前の大会の収益に関心がいくのも当然か。
収入は第1回大会で1280万ドル(約15億円)、前回大会は公表されていないが、
スポンサー収入や放映権料などで約7千万ドル(約80億円)あったといわれている。
が、優勝賞金など諸経費を差っ引くと1千万ドル(約11億8千万円)程度の収益しか上がらなかったという。
これが実数なら平均397万ドル(約4億6千万円)の大リーガー3人の年俸に足りない額だ。
全国ネットワークや地元ケーブル局からの長期放映権契約によって、MLB全体の収益は右肩上がり。
15年度には前年を5億ドル上回る約95億ドル(約1兆1千億円)を記録し、今年度はさらに増収したという。
米国経済の好調さにくわえ、スポーツ中継視聴者の9割が有料テレビを見るという米国の「特殊事情」に支えられているのだが、とまれ、
開幕前の大事な時期に故障のリスクをとってこんな経済規模の大会に選手を参加させるのは勘定が合わない。
米国では投手を中心に大物選手が相次いで辞退したため、過去3大会で優勝は一度もなく、前回は2次ラウンドで敗退。
盛り上がりを欠いたままだ。
改善策も効果薄く
このため、主催者側は今大会から期間途中で入れ替え可能な「予備投手枠」(10人)の設置を決め、
大物投手の準決勝や決勝だけの“つまみ食い”登板を認める決定を下した。
「肩は消耗品」として、シーズン前に投げさせられることを嫌がる球団フロントや投手から参加の承諾を得ようという制度である。
だが、今のところ効果的とはいえない。参戦の意向を示していた昨季20勝7敗でナ・リーグ最多勝のシャーザー(ナショナルズ)は故障を理由に不参加を表明。日本人メジャーリーガーも不参加を明らかにした前田(ドジャース)をはじめ、田中(ヤンキース)、ダルビッシュ(レンジャーズ)ら投手は軒並み不参加とみられる。
実は、チームが「NO」といっても選手がWBCに出たいといえば球団側に止める権利はないのだが、
WBCに大きな意義を感じている日本人投手ですら、この行動。
これでは18勝のアリエッタ(カブス)やナンバーワン左腕カーショー(ドジャース)ら参戦が取りざたされている大物投手の参加にも疑問符がつく。
連覇を狙って3年連続40本塁打以上のクルーズ(マリナーズ)や16勝のマルティネス(カージナルス)、
リーグ最多セーブのファミリア(メッツ)らをリストアップしたドミニカ共和国など、
昨年末にはかつてない豪華布陣による対決が期待されたWBCだが、これから超一級が何人残るか。
自国メディアに「危機」を囃(はや)され、それでも選手を集められなかったら、そのときはいよいよ「消滅」が現実味を帯びてくる。
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