16/12/23 21:17:31.87 CAP_USER9.net
来年の3月に行われるWBCの第1ラウンドでは、侍ジャパンは強豪キューバ、中国、そしてオーストラリアと対戦する。順当に行けば日本はキューバとともに勝ち抜くだろうというのが大方の予想かもしれないが、オーストラリアにも油断ができない。なにしろこの国は、史上初めてオールプロで代表チームを結成し、金メダルが至上命令だった2004年アテネオリンピックで日本の野望を打ち砕いた歴史をもっている。この国には1990年代にぴウィンターリーグが存在したのだが、のち消滅、2010年の秋に復活し現在に至っている。
メジャーリーグの後押しで復活したプロリーグ
オーストラリアには1800年代の終わりにアメリカから野球が伝わってきてという。しかし、ラグビーやオージーフットボール、クリケットといった人気スポーツの選手のオフシーズンのトレーニング代わりにプレーされる程度で、長年マイナースポーツにとどまった。そういう中、1989年にメジャーリーグの後押しによりウィンターリーグとして発足したのがオーストラリアン・ベースボール・リーグ(ABL)である。しかしこのリーグは長続きせず、その後継リーグであるインターナショナルベースボールリーグ・オブ・オーストラリアと含めても13シーズンしかもつことなく、2002年シーズンを最後に姿を消してしまった。
そんな中でもオーストラリアの野球は、選手をアメリカのマイナーに送り込むことで命脈を保っていた。そして、長い休止期間を経て、2010年秋、ABLが復活し、今シーズンで7年目を迎えている。
プロリーグ廃絶後も、同じ英語圏ということから、オーストラリア人選手はアメリカを目指した。とくに1990年代半ばには独立リーグができたことによりアメリカ行きの間口が広がったこともあって、多くの選手がアメリカに渡った。彼らの渡米とアメリカでの経験が花開いたのは2004年のアテネ五輪での銀メダルである。この時、日本の前に立ちはだかったクリス・オクスプリングスは、アメリカ独立リーグ経由でアメリカ球界入りし、のちメジャーにまで昇格する。彼は阪神でも活躍した。また最近では、ドリュー・ネイラーがこのリーグを足掛かりに日本の独立リーグ経由で中日に入団している。
アジアとの関係も浅からぬものがある。1995年、当時飛ぶ鳥を落とす勢いだったダイエーを親会社にもつホークスが、韓国、台湾のプロ球団を招いた国際大会、アジア・パシフィック・スーパーベースボールを開催したが、この際オーストラリア選抜チームが参加している。また、アジアシリーズにも2011年（第5回大会）から参加、目下のところ最後の開催となっている2013年大会ではキャンベラ・キャバルリーが見事優勝を飾っている。
2010年の新ABL発足後は、日本、韓国、台湾のプロ球団から選手を受け入れており、かつては亀井義行（巨人）、菊池雄星（西武）らもオーストラリアでプレーした。
今シーズンは西武の本田圭佑ら3人がメルボルン・エーセズに派遣されている。
現在ABLは6球団制で11月から1月までのレギュラーシーズンのあと、2位3位チームによるプレーオフを経てチャンピオンシップシリーズを2月半ばまで行っている。ラテンアメリカのウィンターリーグと大きく違うのは、試合は基本的に週末しか行われないことだ。これは、選手の多くが他に仕事をもつセミプロであること、各チームの遠征を各都市1回づつで済ませることができ経費節減になることによる。リーグ当局としても、試合数を増やし、本格的なプロリーグに成長はさせたい意向で、ここ昨シーズンは過去最多の56試合にまで試合数を増やしてはいたのだが、野球人気はなかなか向上せず、今シーズンはかつての40試合に縮小、それもかつてのような週末4連戦ではなく、土曜にダブルヘッダーを挟んでの金土日の試合開催となっている。
ナショナルチームもここ数年は不振で、2015年のプレミア12には出場もかなわなかった。国内の野球人気を高めるためにもこのリーグでのコンディションをそのままWBCにも持ち込んで旋風を巻き起こしてもらいたい。
オーストラリアン・ベースボール・リーグ構成チーム
シドニー・ブルーソックス
キャンベラ・キャバルリー
ブリスベン・バンディッツ
メルボルン・エーセズ
アデレード・バイト
パース・ヒート
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