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◇東京五輪組織委「２兆円を切る」
２０２０年東京五輪・パラリンピック組織委員会が「２兆円を切る」と示した大会経費の総額が波紋を広げている。ＡＰ通信は「膨らみ続ける予算」と紹介した。２４年夏季五輪に立候補した米国のロサンゼルスは大会経費を５３億ドル（約６０００億円）と見積もり、東京を反面教師に国際オリンピック委員会（ＩＯＣ）に低予算をアピールした格好だ。
「開催都市に選ばれたら、ＩＯＣは予算の高騰、競技会場の見直しに悩まされることはない」。２日に予算見積もりを発表したロサンゼルス招致委員会は強調した。直前にＩＯＣのジョン・コーツ副会長が「ＩＯＣは２兆円を容認したわけではない」と問題視したことを意識した発言だ。
ＡＰ通信によれば、ロサンゼルスの見積もりは施設整備費と大会運営費の合算。ロス周辺に３０以上の既存施設があり、競技場を新設する必要がなく、低予算に抑えられた。選手村はカリフォルニア大ロサンゼルス校（ＵＣＬＡ）の学生寮を利用する計画だという。
米メディアによると、同じく２４年夏季五輪に立候補したパリは大会運営費３４億ドルと施設整備費３２億ドルを見込む。ブダペスト（ハンガリー）は大会運営費が３４億１０００万ドル。東京も招致段階では７３４０億円だったが、警備や輸送などが計上されずに予算が膨らんだ。３都市も実態を反映しているかは不透明だ。
招致段階の予算と現実が大きくかけ離れることが強調されれば、地元住民が五輪を敬遠しかねない。コーツ副会長は「２兆円は上限。立候補都市に間違った印象を与える」と警戒する。【田原和宏】
毎日新聞 12/6(火) 21:31配信
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