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デイリー新潮 11/18(金) 5:57配信 特大ワイド「ふりむけば百鬼夜行」より 「週刊新潮」2016年11月10日神帰月増大号 掲載
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“脱原発のマドンナ”木内みどり 「市民運動は面倒くさい」本人語る
今年9月に代々木公園で行われた集会にて
「そんなことやったからでしょうね、市民運動家って言われるようになって。気持ちの上では、運動家じゃないんです、
女優ですと言いたいんですが……」とため息をつくのは木内みどりサン(66)。実は彼女、集会で頻繁に司会を
務めることから、脱原発のマドンナ的存在になっていた。が、その胸中は意外なことに……。
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「海外の俳優さんが時に社会的な発言をするでしょ。あれと同じなんですけどね」
彼女が“脱原発”に関わる契機は、2011年3月に起きた東日本大震災と原発事故だった。
「私自身人生が変わったという思いがありまして。で、何かをしなくてはと思い立って、
事故から4カ月ほど経った頃、明治公園から代々木公園まで練り歩くデモに初めて参加しました。
知り合いもいないし、ただ独りで俯いて歩くだけでした。
そのうち“木内みどりさんでは?”とばれてしまい、『グループに入って』『呼びかけ人になって』
と声をかけられるように。『私は団体行動ができないから』と断っていたんですが……」
それでも断りきれなくなり、“司会ぐらいなら”と引き受けることに。
「でも、だんだん“嫌だなあ”と感じることが多くなってきました。例えば、集会にはそれが仕事の人がいますよね。
専従の人。こういう人って、いつも同じことしかしなくて、新しいことを提案しても受け付けてくれないんです。
『英語の看板を設置しましょう』『ツイッターやフェイスブックを使って情報を発信しましょう』と言っても、
メール打つのがやっとで対応できないとかね。で、やるのは、昔ながらのアジビラ。ハンドスピーカーで
『原発やめろ』って怒鳴ってもね。時代とずれてるんですよ。
『こういう風にしゃべって』と、自分たちの流儀を押し付けてきたときは、さすがに私、言ったんです。
『私は無償で、私の思いだけでやっているんです。義務はないんです。もし命令されたり、指示されたりするのなら、
帰ります。もう来ません』って。そしたら、その人大慌てで。きっと私に帰られたら、
自分の責任になると思ったんでしょうね」
■「寄付の集まり…」
「市民運動ってね、ホント、面倒くさいんですよ」
と語り続ける彼女がほとほとウンザリしたのは、今年9月に代々木公園で行われた集会直前だった。
「『さようなら原発1000万人アクション』と言って、その司会をここ4年くらい続けてきました。
9月の集会も半年前に私が司会をやることに決まっていたんですが、数日前になって『他の人になったから』と。
主催団体の中でも力関係があってそうなったらしいんですが、気分の良いものではありません。
そのくせ、『木内さんが全く出なくなると、“何があったんだ”と騒ぎになる』から“ゲストスピーカー”になってくれと。
でも私は、皆さんの前で意見を述べるほどの政治的主張もない。だから、断ったんですよ。そしたらね、
『木内さんがいないと寄付の集まりが悪くなる』ですって。こういうのって自民党がやってる
“客寄せパンダ”と同じじゃないかしら。私は単に利用されてるだけなのかなって、そこで本当に嫌になっちゃったんです」
実は彼女、先の参院選の際、市民団体から出馬の誘いがあったそうで、
「『私には人生賭けて政治をやる覚悟なんてない』といくら断っても、
『これだけ頼んでるんだから出るべきだ』と。そんなに候補がいないのか、っていうね―」
市民団体諸君、“脱原発”前に“脱木内”を。