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球界と反社会勢力との“灰色の交際”騒動に新展開だ。巨人は１２日、元球団職員が元暴力団組長の関係者を名乗る男性から脅迫を受け、警視庁に相談したと公表した。
発端は６月１６日。日本野球機構（ＮＰＢ）は以前から球場に出入りしていた元暴力団組長に対し、各球場への出入りを一切拒否すると通達した。元組長は２０１３年に上部組織から破門されたとされるが、プロ野球の観戦ルールを定めた『試合観戦契約約款』では、暴力団員および組織脱退から「５年を経過しない者」の入場を拒否できると定めている。
これに関連し、７月には日本プロ野球選手会が元組長との親しい関係が疑われている元巨人投手・橋本清氏とも接触しないよう申し合わせたことが、夕刊フジの取材で明らかになっている。
新たに事態が動いたのは今月１１日。巨人によると午後４時１９分ごろ、元組長と、その親分筋から相談を受けたとする男性から元球団職員の携帯電話に連絡が入った。その中で「元組長は一方的に（ＮＰＢから入場禁止の）手紙を送りつけられ、生活もできなくなって困っており頭にきている」「元組長は『巨人の選手と一緒に写った写真もあるし、メールのやり取りも残してある。みんな１軍の選手ばかり十数人だ』といっている」「親分筋の人は人殺しも平気でやる怖い人だ」「球界にとって事を荒立てない解決があればいい」などと脅された。
球団は同日中にＮＰＢ・熊崎勝彦コミッショナーに報告し「この電話は球団に対する脅迫である可能性がある」「選手や職員に危害が加えられるかもしれないので身辺に注意するように」「一連の経緯を公表した方がよい」と助言された。また警視庁にも１２日に相談し、今後はアドバイスを受ける方針だ。
ＮＰＢの調査委員会によると、元組長が自分の過去を隠したまま食事をともにするなど交際した選手は８球団の約３０人（引退した選手を含む）に上る。プロ野球界の“憲法”といえる野球協約は反社会勢力との交際を禁じているが、ＮＰＢは選手側にはいずれも相手が元暴力団組員との認識がなかったことから協約違反には当たらないとみている。
巨人では２０１２年、当時の原辰徳監督が現役時代の不倫関係をネタに０６年に１億円を要求され、ひそかに支払っていたことが明らかになっていたが、今回は金銭授受などが生じる前に先手を打って公表した格好だ。
とはいえ、球界関係者の“殺害”をほのめかしたとも受け取れる電話は、ヤクザ小説じみていて不気味だ。球界ぐるみで目を光らせる必要がある。 （宮脇広久）
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