16/07/24 17:41:17.03 CAP_USER9.net
Jリーグが動画配信大手の英パフォームグループと結んだ放映権契約は、国内のスポーツ界では過去最大の10年総額2100億円という金額になった。パフォーム・インベストメント・ジャパンの最高経営責任者(CEO)と、同グループ全体の動画配信のCEOを兼ねるジェームズ・ラシュトン氏に、大型契約の狙いや今後の戦略について聞いた。
■ダ・ゾーン、3000円より安価で
―世界に先駆けて日本で始めるスポーツ中継サービス「DAZN(ダ・ゾーン)」では、JリーグのほかにバレーボールのVリーグや、総合格闘技のUFCの放送を発表している。海外サッカーやテニス、野球、ラグビーなどの放送も予定しているが、1つの料金を払うだけで全てのコンテンツを見ることができるのか。
「日本のスポーツファンに、シンプルで素晴らしいサービスを提供する。全てのスポーツが、同じ定額サービスの中で見られるようになる。日本では年間6000試合のスポーツを放送する予定だ」
―料金はどれくらいになるのか。ソフトバンクが今年始めたスポーツ中継サービス「スポナビライブ」は月額3000円(ソフトバンクの携帯の契約者は500円)に設定している。
「日本の既存の有料テレビも、スポナビライブと似たような料金になっている。ダ・ゾーンは3000円という数字よりも魅力的な料金になるだろう」
「価格は重要だが、いかに多くのスポーツを見られるようにするかが大事だ。現在、日本のスポーツファンは、3つのスポーツイベントを見るために3つの有料テレビに月3000円ずつ支払い、合計で9000円を負担することもある。これはスポーツファンにとってありがたい状況ではない。ダ・ゾーンを通して日本のスポーツファンに全てのスポーツのコンテンツを提供し、その心をつかみたい」
■10年間という長期契約に大きな意味
―Jリーグとの契約で莫大な金額を投資するが、どうやって利益を出すのか。
「パフォームはダ・ゾーンに登録した人からの利用料だけで収入を稼ぐという、とてもシンプルなビジネスモデルを取る。ダ・ゾーンには広告も入らないが、利用料だけで十分に費用をカバーできると思っている。(世界的には)音楽定額配信のスポティファイや、動画配信大手のネットフリックスが成功している。スポーツファンの方が音楽ファンより情熱を持っていると思うから、スポーツで同様のサービスが成功しない理由がない」
「新しいサービスが普及するには時間がかかる。だから、Jリーグという素晴らしいパートナーと10年間という長期的な契約ができたのは非常に大きな意味がある。10年の間に、従来の有料テレビより我々のサービスの方が素晴らしいということを説明し、消費者に知ってもらわなければいけない。私の哲学はとてもシンプル。素晴らしいコンテンツと映像があれば、加入者を獲得できる」
―どれくらいの時期にどの程度の加入者を獲得したいのか。
「加入者の目標は言えないが、競合企業とされている有料テレビの現在の加入者数は目指したい。どれだけ早くそこに到達できるかだ。北米では(一般家庭が)テレビの契約をやめてネット配信に切り替える動きが広がっている。同じ動きは欧州でも進んでおり、日本でも今後それが加速していくと考えている」
―今後は五輪やサッカー・ワールドカップ(W杯)のような巨大イベントの放映権も狙うのか。
「コンテンツは王様。全てのスポーツイベントに興味があると言いたいところだが、一般的にいって、スポーツイベントには無料のテレビ放送と有料サービスのそれぞれに向くものがある」
「五輪やW杯のように短期間のイベントだと、費用に見合った利益は得られないこともあるからだ。将来、五輪やW杯など巨大イベントを将来的に狙う可能性はあるが、まずは年間を通じて行われているイベントの放映権をベースとして獲得していきたい」
―Jリーグとの契約には、NTTがパートナーとして加わっている。NTTドコモの携帯電話や、NTTのブロードバンド(高速大容量)の契約者がパフォームに加入する場合、割引など何らかのメリットがあるのか。