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PerfumeやBABYMETALがアイドル新時代を提示!音楽ブロガーが4月のMステを定点観測
音楽ブロガー・レジーが、「ミュージックステーション」の放送内容を基に最新のJ-POP事情についてお届けする連載「月刊 レジーのMステ定点観測」。
4月のMステは通常放送3回という比較的穏やかな感じの放送状況でした。前後編でお届けする今回、まずは今月のMステで提示された女性アイドルグループの新しいあり方についての話題からどうぞ。
◆「ブーム」から「文化」へ。アイドル新時代①:Perfume
少し前によく言われていた「アイドル戦国時代」という言葉も今ではすっかり聞かれなくなりましたが、このことが意味しているのは「ブームの沈静化」というよりは「ブームから文化への定着」ということなのかなと思っています。
ヒットチャートにも夏フェスにも地域のお祭りにも当たり前にアイドルグループがいる、という光景はこの先しばらく続きそうな感じです。
そんななかで、今のアイドルを取り巻く環境を形作るのに貢献してきた先行ランナーたちは、それぞれのフィールドでアイドルのあり方をアップデートするようなトライをしています。
15日の放送に出演したPerfumeは、映画「ちはやふる」の主題歌として映画ともどもヒットしている「Flash」を披露。
すでに国民的な人気者としての地位を確立していながら、楽曲単位で見ると2007年リリースの「チョコレイト・ディスコ」「ポリリズム」以降なかなか「代表曲」を更新できていない状況が続いていましたが、
今回の曲で久々に「世の中のいろいろな場所で流れる楽曲」を獲得できたというのがいちファンとしてとてもうれしいです。
アップテンポで爽快感のあるトラックとは裏腹に、「Flash」のダンスは「静と動」の「静」を強調したもの。一つひとつの動きをていねいに見せるこの振り付けは、
キャリアを重ねてスキルを磨くとともに「27歳の大人の女性」としての魅力も備わってきた今のPerfumeだからこそできるものではないでしょうか。
「若い女の子が勢い任せに盛り上げる」という表現スタイルが是とされがちなアイドルシーンにおいて、
昨年結成15年を迎えたPerfumeのやっていることは様々なアイドルグループの道しるべになっていると思います(もっとも、簡単にまねできるものではなさそうですが)。
「Flash」が収録されているアルバム『COSMIC EXPLORER』もキャリア最高傑作と呼んで差支えなさそうな素晴らしい作品となっており、今年の夏に予定されている北米ツアーでの大躍進が今からとても楽しみです。
◆「ブーム」から「文化」へ。アイドル新時代②:BABYMETAL
Perfumeと同じ3人組、同じ事務所、「アイドル×特定の音楽ジャンル」というフォーマット、海外での人気に振り付けを担当している人も同じ、と共通項の多いBABYMETALも22日のMステに出演していました。
先日発売されたアルバム『METAL RESISTANCE』はアメリカのチャートで日本人アーティストとして53年ぶりのトップ40入りという快挙を達成、
さらに4月2日にはイギリスのウェンブリー・アリーナで日本人初のワンマンライブを実施と、海外のあらゆる場所で旋風を巻き起こしている彼女たち。
まだまだ10代後半の女の子たちではありますが、この日のMステ出演からは「海外のスターがMステに登場」というような風格を感じました。
この日披露された「KARATE」は、YUIMETAL、MOAMETALのコミカルな動きと掛け声にSU-METALののびやかなボーカルが絡む壮大なナンバー。
「アイドル」というとどうしても「あまり実力がない」というイメージと結びつきがちですが、SU-METALの歌声は今の日本の音楽シーン全体においてもトップクラスの説得力をもっていると思います。
この人たちも元はと言えばアイドルグループ「さくら学院」の派生ユニット(「部活動」)として始まったものですが、
今となっては「少女がパフォーマンスしている」というエクスキューズを差し引いても成立するような新しいアートの形を提示するまでになりました。
この先どこまで突き抜けてくれるのか、期待せずにはいられません。
(>>2-5あたりに続く)
M-ON! MUSIC 2016.05.05(文:レジー)
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