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学校のプールでまた飛び込み事故 授業では全面禁止を!!
内田良 | 名古屋大学大学院教育発達科学研究科・准教授 2015年7月19日 6時22分配信
URLリンク(bylines.news.yahoo.co.jp)
■長野で男子生徒が首を骨折
いったい何回「コピペ」の事故が続けばよいのだろう。学校のプールでまた、まるでいつものことのように、重大事故が起きた。
被害者は、長野県立の高校に通う3年生の男子生徒。14日午前の出来事であった。水泳の授業中に、スタート台からプールに飛び込んだ際に、頭部をプールの底にぶつけて、首を骨折したという(産経ニュース)。
昨年の7月、名古屋市立の中学校で、水泳の授業時に2年生男子生徒がスタート台から飛び込みをして首を骨折し、首より下に麻痺が残った。今年6月には、岐阜県多治見市立の中学校で、体育の授業中にスタート台からプールに飛び込んだ3年生の男子生徒が、
プールの底に頭部を打ち、全身がしびれた状態となった(詳細は不明)。
水泳の授業時に、スタート台から飛び込み、頭部を底に打ちつけて、重度障害・傷害を負う。日付と学年を書き直しただけの、まるでコピペの事故が続いている。生徒には、車いすや寝たきりの生活が待っている。
■プール飛び込み、過去に169件の障害事故
2011年度以降で、学校のプールでの飛び込みにより障害が残った事故事例は、下記のとおりである【注】
学校のプールにおける飛び込みによる障害事故事例[2011~2013年度]学校のプールにおける飛び込みによる障害事故事例[2011~2013年度]
さらに事故記録が残っている1983年度までさかのぼって調べてみると、学校管理下のプールで飛び込みにより後遺障害を負った事故は、全部で169件起きている。そのうちもっとも重大な事態と考えられる「頭頸部」の外傷に起因する事故が、151件(89.3%)を占める。
(全169件の具体的な事故事例概要については、13ページにわたるPDF資料を、私が運営するウェブサイト「学校リスク研究所」に無料で公開している。)
過去数十年にわたって、コピペがくり返されている。その理由は簡単である。抜本的な対策を立てないからである。対策が立たない限りは、これからも同じ事故が確実に起きていく。
■水泳連盟公認の事故?!
飛び込み事故は、プールの施設に起因する事故として知られている。日本水泳連盟は、事故防止のために、「プール水深とスタート台の高さに関するガイドライン」(2005年)を策定している。そこには、水深1.00m~1.35m未満のプールにおいて、
飛び込みが認められるスタート台の具体的な高さが示されている。
日本水泳連盟「プール水深とスタート台の高さに関するガイドライン」(2005年)日本水泳連盟「プール水深とスタート台の高さに関するガイドライン」(2005年)
だが、注意しなければならないのは、ガイドラインに明記されているように、この基準は「『如何なる飛び込み状況の中でも安全を確保』という観点ではなく」という点である。現状の日本のプール施設状況を踏まえたうえでの「現実的な妥協点」でしかなく、
したがって何らかの事情により姿勢を崩して飛び込んでしまった場合には、「プール底に頭部を強打して、飛び込み事故が起こるのも事実である」(日本水泳連盟「プール水深とスタート台の高さに関するガイドライン」)。
学校のプールで、仮にガイドラインに適合的な水深が確保されていたとしても、飛び込みのかたちが崩れてしまえば、頭部を底に打ちかねない。そのことを、日本水泳連盟は熟知している。ずっとくり返されてきた飛び込み事故は、水泳連盟公認の事故と言ってよい。