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4月19日午後3時39分ごろ、宮崎県と鹿児島県の境にある霧島連山の硫黄山(宮崎県えびの市)が噴火した。
硫黄山の噴火は、1768年以来250年ぶりのことだ。今年3月には同じ霧島連山の新燃岳が爆発的噴火を起こしている。
この相次ぐ霧島連山の異変は、巨大地震、巨大噴火の前触れなのだろうか。
江戸時代の1707年(宝永4年)、東海道沖から南海道沖を震源域とした宝永地震、いわゆる南海トラフ巨大地震が発生している。その約2カ月後には、富士山が最も最近となる噴火、宝永大噴火を起こしているのだが、前年末に霧島連山の御鉢が噴火している。
他にも地図で示す通り、日本国内で巨大地震が発生する直前に霧島連山で噴火が起きるケースは数多くある。あの東日本大震災の約1カ月半前にも、やはり新燃岳が噴火していた。
こうした傾向について、これまで数多くの地震や噴火を的中させてきた、琉球大学理学部名誉教授の木村政昭氏がこう語る。
「東日本大震災が起きた際も指摘しましたが、現在、太平洋プレートが押してくるプレッシャーが非常に強くなっているのです。また、九州方面でも間にフィリピン海プレートを挟んで、やはり太平洋プレートが大陸方面へ押してきている。
霧島連山が噴火しているのは、それをまともに受けているからです。私は宮崎県東部沖合の日向灘、小笠原諸島沖が次に危ないと見ていますが、巨大地震はいつ起きてもおかしくない状況にあるのです」
太平洋プレートは、南北にわたり日本列島全域に均等にプレッシャーをかけ続けいる。
霧島連山が噴火する際は特に、それが強まっている可能性が高く、溜まったひずみが割れる寸前になっている兆候とも言えるのだ。
宮崎県西臼杵群高千穂町の歴史民俗資料館に所蔵されている古文書『珍書雑記』には、約300年前に大噴火を起こした新燃岳に関する以下の記述がある。
《享保元年(1716年)十月頃より霧島だけ、殊の外の火石三万石。外にすなにてうもる事。
ここ元より火見ゆる。明ル三月しづまる》
新燃岳から100㎞離れた宮崎県でも、火石三万石=450万㎏の噴石が降ったとしており、その被害の大きさが窺える。
この時の噴火は断続的に1年半ほど続いたとされ、その間、1717年5月13日に、宮城県沖でM7.5の大地震が発生し、東日本大震災と同様に津波被害が出ているとされる。
また霧島連山の噴火の直後に、内陸部で大きな地震が起きたパターンもある。
「太平洋プレートのプレッシャーは、内陸や日本海側の直下型地震にもつながっているとされています。
南海トラフ巨大地震の前兆として内陸部での直下型地震が多いのもこのためです」(サイエンスライター)
その日本列島の内陸には、九州から関東にかけて大断層の中央構造線が貫いている。
西日本では鹿児島県から熊本、大分県を通り、四国北部を経て紀伊半島を横断。さらに伊勢湾を横切って天竜川沿いを北上し、長野県の諏訪湖あたりで本州中央部を縦断する地溝帯「フォッサマグナ」にぶつかる。
さらにその東では、関東平野を通って鹿島灘へと抜けている。
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