23/06/17 17:12:10.54 QDDQNpZg0.net
>>352
ある種の最低賃金保障という意味では面白いアイデアだとは思うが、現実的に難しい理由がぱっと二つほど思い浮かぶ。
まず一つは、作品によってあまりにも仕事の難易度やカロリーが違うということ
たとえばドラえもん見たいな子供向けアニメと、うたプリみたいな女性向けアイドルアニメだと
同じ1枚の絵でも、引かなきゃいけない線の数が5倍とか10倍とか違ってくる
なので同じ基準で単価設定すること自体が難しい。
声優の場合は、もちろん作品やキャラによって多少の差はあるだろうが、
いうても「セリフを読む」「演技する」みたいな仕事自体の難易度やかかる労力はどんな作品でも変わらないし
共通基準で「30分アニメのアフレコなら○円」っていう設定にも、ある程度納得感があるわけ。
あと、もともと声優のギャラって全体の予算からすれば微々たるものなので
制作側としても、多少多めに払ってもほとんど影響がない。
なので「セリフ一言」であってもきちんと1回分の報酬を払うということも可能。
ただ一方で、作画とかに関して言えば、
簡単な内容の作品にもハイカロリー前提の単価を払わなきゃいけなくなってしまうと、
爆発的に必要な予算が増加して、子供向けアニメなんてもう二度と作れなくなってしまう。
これは制作会社側も受け入れられないでしょう。
とはいえ、作品の難易度によって単価は適宜調整…なんて話になったら、現状と何も変わらない。
という現実的な金銭面での問題が一つ。
あとは、5年目までは~みたいな年次によってランクを設定することの問題点もある。
たとえばいま動画工房とかでバリバリキャラデザ総作監やってる平山寛菜って
たしか2年目で総作監、3年目でキャラデザに昇格してるでしょ
他にも勝又聖人とか油布京子とかも5年以内に人気作品のキャラデザに昇格してるし、
こういう他人を蹴飛ばして追い越せるような天才型の人達は、年功序列のランク制に当てはめられるのを本人達が拒否するだろうね。
なのでそのランク制が、優秀な人たちは拒否して、
一人で飯を食う実力の無い有象無象だけがしがみついてる状態になってしまえば、有名無実化するのは明らかだし
逆に優秀な天才タイプに寄り添った制度設計をしてしまえば、結局飯の食えてない弱者にとっては何の意味も無い制度になってしまう…。
圧倒的な弱肉強食、実力主義社会のアニメ業界において、
みんなを一律で救う報酬システムってのは設計不能じゃないかと思うんだよな。