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「私の人生は、お金、セックス、権力、陰謀に翻弄された、韓流ドラマのようです。自分の出自を知ったのは、十二歳のときでした。
両親だと信じていた人たちが実は他人で、本当の父親は文鮮明だということを」
こう語るのは、アメリカ在住のサムエル・パク氏(57・以下サム氏)。統一教会(現・世界平和統一家庭連合)の教祖・文鮮明の隠し子だ。母の名は崔淳華(チエスンフア)さんといい、文教祖と結婚することなくサム氏を産んだ。
統一教会の信者は、文鮮明・韓鶴子(ハンハクジヤ)夫妻を「真のご父母様」、その家族を「真の家庭」と崇め、理想像として仰ぐ。だが現実は大きく異なる。
漢江のほとりで金色に輝く地上六十階建ての「63ビル」は、ソウルのランドマークのひとつだ。サム氏の祖父は、このビルを建てた大韓生命のオーナーだった。当時、大韓生命は国内二番目の保険会社で、祖父はサムスングループの創始者に次ぐ国内二番目の富豪だったという。
統一教会に入信した祖母は、創設間もない教団を財政面で支えた。
「一九七三年に亡くなるまで、祖母は膨大な金額を寄付し続けました。総額は数百万ドルに達します。私の母は、祖母によって統一教会の教えに導かれました。父・文鮮明牧師との関わりは一九五三年、母が十七歳のときに始まりました。父が強制的に、母の処女を奪ったのです。
彼は母に向かって『真の母』になるよう運命付けられているから性的関係をもったのだ、と言い含めたそうです」
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