22/05/10 20:46:28 n9Xgqy0R0.net
今年令和2年で編纂から1300年になる「日本書紀」には、日本最古の天文記録として「十二月の庚寅の朔に、天に赤気有り。長さ一丈余なり。形雉尾に似れり」という620年(推古天皇二十八年)の記録が残されている。
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この記録について、オーロラを指しているという説と彗星を指しているという説が提唱されてきた。中国の歴史書には同年にオーロラや巨大黒点が目撃されたという記述が見つかっておらず、この点がオーロラ説とするには不利な材料である。一方、日本書紀で彗星は「箒星」として区別して書かれており、色についても彗星なら赤くはないだろうという点が、彗星説には不利だ。このようにこの天文記録は、これまで科学的に謎めいた記述として知られてきた。
国立極地研究所/総合研究大学院大学の片岡龍峰さんたちの研究チームは、この赤気の記録はオーロラを指している可能性が高いことを明らかにした。
研究チームが着目したのは「形雉尾に似れり」という記載だ。雉のオスはメスに対して尾羽をアピールする際に、尾羽の上面をメスに向けて扇状に開く。また、胸を張り激しく羽ばたく「母衣打ち」も扇形の形状であることが知られている。片岡さんたちは過去の研究で、日本のような中緯度で見られるオーロラは、赤く扇形の構造を示すものであることを示していた