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安倍元首相この期に及んでマレーシア訪問 プーチン大統領との「会談27回」は不毛の証し
3/7(月) 14:00
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日刊ゲンダイDIGITAL
ロシア軍がウクライナに侵攻して10日。一向に出口は見えてこない。ひどすぎるロシアの蛮行に、スイスやスウェーデンなど中立国まで反ロシアの立場。プーチン大統領と懇ろな中国の動きも鈍く、「仲介役」が見当たらないのだ。
「米国メディア関係者は、なぜ、日本が動かないのかと言っていました。2014年のクリミア併合以降も欧米各国がロシアと一線を画す中、安倍政権は対ロ独自外交を展開してきたからです」(全国紙記者)
安倍元首相は首相在任中、ロシアを11回訪問し、プーチン大統領と27回も会談してきた。27回目のウラジオストクでの会談では「ウラジーミル、君と僕は同じ未来を見ている。ゴールまで2人の力で駆け抜けよう」とまで言ってのけている。岸田首相は安倍政権で在任期間歴代2位の4年7カ月にわたって外相を務めた。安倍元首相と岸田首相なら、プーチン大統領を説得する仲介役として適任のようにも見える。
■「私も説得したいのですが」
先月27日のフジテレビ番組に生出演した安倍元首相は、「プーチン大統領を説得してほしい」との声がSNS上で広がっていることについて、「もちろん説得できたら私も説得したいのですが、まずは今、G7首脳たちも結束を固め、プーチン大統領に対する説得を行っている。あるいは外交的な要求、要請、交渉を行っていくのだろうと思います」と答えている。
この発言から1週間。G7首脳によるプーチン大統領の「説得」は完全に暗礁に乗り上げている。
いよいよ、安倍元首相の出番―と思いきや、安倍元首相が向かう先はあさっての方向だ。政府は今年外交関係樹立65周年を迎えるマレーシアに、安倍元首相を岸田首相の特使として今月中旬、派遣する方針を固めた。
■G7で唯一のNATO非加盟だが…
「ロシアが敵視するNATOに日本はG7で唯一加盟しておらず、ウクライナ問題で仲介役が務まるように見えます。しかし、実際は米国べったりで他の加盟国以上にNATOに入っているようなもの。現実に仲介役は難しいでしょう。もし、安倍元首相がプーチン大統領と27回も会い、“信頼関係”を築いているのなら、プーチン大統領側から相談なり、働きかけがあるはずですが、今のところそのような動きはなく、『安倍氏が仲介役に浮上』との話も聞かない。結局、独自外交では何も得られなかったということです」(軍事ジャーナリスト・前田哲男氏)
本物の信頼関係があるなら、安倍元首相はプーチン大統領に会えるはずだ。
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