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その治験の動画を札幌医科大学で初めて観た時の衝撃は忘れがたい。
「右手動きますか?」
「左足動きますか?」
そう医師から尋ねられたベッドの男性は手足を動かすことができなかった。事故で脊髄を損傷し、首から下の四肢が麻痺していたからだ。男性はいわゆる“寝たきり”の状態だった。
尋ねられたあと、男性はある点滴を投与された。
すると、その翌日、劇的な変化が起きた。それまで麻痺していた手足がいきなり動きだしたのだ。それどころか、その日のうちに自分で車椅子を操作するという段階にも至った。
半年後、男性は自分の足で退院していった。
動画に収められていたのは、まるで魔術のような治療だった。
この医療を実現したのが、本望修・札幌医大教授だ。本望氏は、「間葉系幹細胞」という患者自身の細胞を使うことで、自己治癒力を引き出す治療を導き出した。
脊髄損傷は、不慮の事故などで誰もが突然見舞われる可能性があるものだ。国内で年間約5000人が新たに患者になり、慢性期患者は累計10万人ほどにのぼると言われる。だが、従来は傷ついた神経の機能を回復させるのは難しく、リハビリテーション以外に有効な治療法はなかった。重い後遺症を抱えれば、車いすや寝たきりの生活が続くのが常だった。
本望氏が確立した間葉系幹細胞の治療法は、同じ病院の医師からさえ「自分の目で見るまではどの程度効果があるのか」と疑問に思われていた部分もあった。しかし、効果と安全性を証明するための治験を行うと、ほぼ全ての患者が劇的な回復を見せた。
同大学では本望氏の主導で、脊髄損傷と同じ間葉系幹細胞の製剤による脳梗塞の治験も2013年から進行している。さらに今後、ALS(筋萎縮性側索硬化症)といった神経難病や、アルツハイマー病などにも適応拡大できる可能性があるとの指摘もある。