18/02/10 22:45:11.86 +NZue2Vi0.net
>>51
近代的法制度の観点からは、国の領域の一部であるが、その国の統治の一般原則に
対する例外が認められて特殊の法形式による統治が行われる法域、つまり異法域を
植民地と規定しています。したがって植民地をもつ近代国家においては、本国統治に
おいて行われている法的な原則が一般的には適用されない複数の法域によって、領
域、すなわち統治権の及ぶ範囲が形成されることになります。
大日本帝国が敗戦によって植民地を放棄するまで、日本には、「外地」と一般的に呼ば
れた公式植民地が複数存在しました。領域への編入順に、台湾、関東州、樺太、朝鮮、
南洋諸島の5つです。その統治形態は、地域や時期によって、直轄植民地、租借地、
保護国、委任統治領とさまざまですが、これら植民地に法制度的に共通してあげられ
る特徴は、これらの地域に帝国憲法で規定された臣民の権利・義務を定めた法律が
当然には施行されなかったという点です。帝国憲法では、帝国議会の協賛を経て天皇
が立法権を行使すると規定されていましたから、植民地においては帝国議会の権限が
必ずしも及ばない場合があるということになります。
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