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8世紀初頭に焼けたウズベキスタンにあるシルクロード都市の遺跡「カフィル・カラ城」で、
正倉院宝物に似た楽器が描かれたゾロアスター教関連の板絵が出土したと、帝塚山大(奈良市)などのチームが2日、発表した。
炭化しているが、祭礼の場面とみられ、同様の板絵が完全な状態で発掘されたのは世界初。
シルクロード交易を担ったソグド人や、キリスト教などに影響を与えたゾロアスター教の研究に役立つ成果としている。
木製で、幅1・4メートル、高さ1・3メートルの4段構成。最上段に獅子に腰掛ける女神ナナー、
下段に箜篌と呼ばれるハープに似た弦楽器や琵琶とみられる楽器を奏でる楽隊、火や供物をささげる人が浮き彫りされている。
ソグド人は西域文化の日本への伝来に重要な役割を果たしたことで知られ、これらの楽器も似たものが正倉院に伝わっている。
遺跡は中央アジア最大のシルクロード都市があったサマルカンドの東南約30キロにある。ソグド人の王の離宮で軍事拠点でもあったと考えられる。
板絵は9月、ウズベキスタン考古学研究所との共同調査で玉座付近から出土。
周辺の火災層や出土貨幣から、710年にイスラム勢力に攻められた際に焼け落ちたとみられる。
帝塚山大の宇野隆夫教授は「サマルカンド周辺は東西、南北シルクロードの十字路で、各地の文化が融合し、新たな文化が生まれる場だった。
板絵は、日本への伝来ルート復元の大きな手掛かりになる」と話した。
ゾロアスター教 開祖はザラスシュトラ。善悪二元論を特徴とし、火を尊ぶため「拝火教」とも呼ばれる。
古代ペルシャで支配的な宗教となり、ササン朝ペルシャでも国教とされ、ユダヤ教やキリスト教の成立にも影響を及ぼした。
7世紀後半のイスラム勢力の台頭によって衰退し、現在はインドなどに少数の信者がいる。
URLリンク(www.sankei.com)
ウズベキスタンで出土したゾロアスター教関連の板絵。最上段に女神、下段にハープに似た弦楽器や琵琶とみられる楽器を奏でる楽隊が浮き彫りされている(帝塚山大提供)
URLリンク(www.sankei.com)