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【石川】雇調金2000万円 不正受給 「瑠璃光」の経営会社
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石川県加賀市山代温泉の高級旅館「瑠璃光（るりこう）」と「葉渡莉（はとり）」を経営する「よろづや観光」は十五日、新型コロナウイルス禍で企業が従業員に支払う休業手当について国が補助する雇用調整助成金を不正受給していたと発表した。従業員の勤務実態と違う書類を提出し、助成金を不正に受け取っていた。石川労働局から食い違いを指摘された金額は約二千万円と説明した。不正受給分は返還する。
同社は、二〇二〇年六月～二一年九月、集客状況に応じて旅館を休館し、従業員には通常の勤務日のうち毎月三日分は休業日にするよう指示していた。だが、主に課長級以上の役職者で、勤務表上は休業日であるにもかかわらず、出勤するケースがあった。
助成金申請で提出した書類のうち時間外申請書で、休業日としているにもかかわらず、タイムカードに勤務時間が記録されており、労働局に不正と指摘された。
昨年十月、ハローワーク加賀が従業員のタイムカードなど提出書類に合致しない点があると指摘。今月六、七両日に労働局が調査に入った。休業手当は従業員に払っていた。「返還方法が決まっていない」として不正受給金額は明らかにしていない。
萬谷（よろづや）浩幸社長は瑠璃光で記者会見を開き、「従業員、お客さまに大変なご心配をおかけして申し訳ない」と謝罪した。萬谷社長は原因を、休業日の管理不徹底と、書類の確認不足と指摘し「休業日に出勤するよう指示したつもりはないが、従業員に命令と受け止められたなら責任は私にある」と述べた。
よろづや観光は一九五六年に創業し、両旅館で従業員数は二百五十人。瑠璃光は、全国の旅行代理店などが決める「日本のホテル・旅館１００選」で上位に入っている。
石川労働局は取材に「個別事案の詳細についてはコメントは控えたい」とした。労働局によると、県内で二〇二〇年一月～今年四月末に不正受給として処理したケースは六件、計約三千二百万円だった。