20/11/24 09:05:40.34 0.net
>>140
がーッて書いていいって言われたから続き書く
部屋の配置とかの初期設定間違ってたらごめん
そこから数日は、俺と楓ちゃんの間に何も起きていなかった頃の日々のように過ぎ去った。
少なくとも俺はそう思っていた。
飯を食ってる合間に楓ちゃんが俺をジーッと見つめてから、少し悲しそうに微笑んで目を逸らす事が以前より増えたな、なんて、気付かないフリをしていた。
ある日の深夜、やけに喉が乾いたことで俺は目を覚ました。
眠気と水分を取りたい気持ちが俺の中で散々に戦い、結果後者が勝利したので俺は部屋を出てキッチンに向かうことにした。
なるべく音を立てないように廊下を歩き、風呂場の扉の前を通りかかると誰かがシャワーを使っているらしき水音がした。
「こんな夜中に?なんで?」
俺の記憶が確かならば、俺はもちろんのこと楓ちゃんも弟も就寝前に風呂に入っているはずなのだが。
「最後に入ったやつ誰だ?シャワーを止め忘れてんじゃね?」
たまたま起きた俺が気が付かなかったら、一体いつまでお湯を出し続けることになっていただろうか。
決して楽ではない家計には大打撃になりうる金額の請求が来ることは間違いないだろう。
これは明日家族会議を開かなくては。
そんな事を考えながら、俺はなんの感情もなく脱衣所に足を踏み入れた。
「あっあっあっ……はぁっ……もう…いきそう…。」
たった2歩ほどで浴室への扉へたどり着けるほどの狭い脱衣所に入るとシャワーから湯が流れる音とともにそんな喘ぎ声が聞こえてきて俺は固まった。
浴室の中にいるのは楓ちゃんであり、どうやっているのかは知らないがそういうことを行っているのだと頭で理解するのにはその後数秒を要した。
それと同時にあの夜の楓ちゃんの姿や声がフラッシュバックを起こし脳内を汚染していくのがわかった。
―ココニイテハイケナイ
どこからか、誰の声なのかはわからないがそんな警告を促す声がするような気がした。
これは聞かなかったことにしよう。そう思いながら後ずさると、動揺から距離感を見誤ったのか背後に置いてある洗濯機の縁に身体を勢いよくぶつけてしまい、ガタンと大きな音が鳴った。
「誰?!誰かいるの?」
少し警戒のためにこわばったような、怒ったような楓ちゃんの声が浴室から聞こえる。
これだけ大きな音を立てたら気付かれるのは当然だろう。
俺は一度だけ大きく深呼吸をすると、覚悟を決めて浴室の横開きの扉を開けた。
「……なんだ入ってたのか。誰かがお湯を止め忘れたのかと思ってさ。びっくりさせてごめん。続けて。」
俺はなんで「続けて」なんて言ったんだろうか。おかしな意味ではなく、楓ちゃんにはちゃんと「入浴を続けて」と言ったのだと伝わっただろうか。
そんな事を気にしながらよくよく楓ちゃんの方を見てみると、浴室用の椅子にM字開脚で座りながらシャワーヘッドをどこに当てていたのかなんてバレバレの位置に持っているという、
楓ちゃんにしてみても、どうにも言い訳できない状況であることに気がついたが、ここはスルーしてあげるのが男というものだろう。
「あの、あの、なんか寝汗がすごくて、それで。」
「あー!俺もさ、のどが渇いちゃってなんか飲もうかと……あはっあははは」
無駄に大きな俺の乾いた笑い声が浴室に響いて、これは流石に近所迷惑だと気がついたので口を閉じた。
「あーじゃあほら、サッパリしたら、早く寝なよ。俺も水飲んだら寝るし。」
「あー……うん。おやすみ。」
「おやすみー。」
そう言いながら浴室の扉を閉めてキッチンへ足早に向かうと俺は水を飲むより先に蛇口から水を出し頭から被った。
まずい。これは本当にまずい。密かに起立しかけていた我が息子はこの間にもどんどんとその質量を増している。
しょうがない部屋で抜いてから寝るか。そう思い、部屋に戻り