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その音楽を未来に紡ぐプロジェクトも始動。今なぜNujabesが世界から再評価されているのか?
12/25(水) 19:00 ギズモード・ジャパン (高久大輝)
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FUZE 2024年12月25日掲載の記事
より転載
2010年2月に世を去った稀代のプロデューサー、Nujabes。36歳の若さだった。あれから10年以上の月日が流れた今でも彼の残した音楽はその評価を高め続けている。
無論、それにはいくつかの理由がある。
ひとつは2010年代半ばから始まった「ローファイ・ヒップホップ(Lo-Fi Hip Hop)」の世界的流行だ。「ローファイ・ヒップホップ」とは、大雑把に言えばメロウなループを使用したインスト作品が中心にあり、勉強や作業のお供になる=ながら聴きできる作品やカフェなどの落ち着いた空間を演出する音楽作品を指す。叙情的なメロディを持ち、ソウルフルかつジャジーな作風のNujabes作品(当時はジャジーヒップホップとも呼ばれた)は、J・ディラらと共にYouTubeを中心に巻き起こったこの流れの始祖的な存在として再評価されることとなった。
さらに、海外からもNujabesが支持を集めている理由は他にもある。
Nujabesがファースト・アルバム『Metaphorical Music』(2003年)をリリースした翌年に放映をスタートし、今年で20周年を迎えたアニメ『サムライチャンプルー』だ。国内外でも評価の高い『カウボーイビバップ』などを手掛けた渡辺信一郎監督による同作で、Nujabesは「Luv(sic)」シリーズでもタッグを組むShing02をフィーチャーしたオープニング曲「battlecry」、MINMIをフィーチャーしたエンディング曲「四季ノ唄」のプロデュースなど重要な役割を果たしている。
『サムライチャンプルー』は国内での放映スタート時は局所的な人気に止まっていたが、アメリカのアニメ専門チャンネルなどで放送され、徐々に人気に火がつき、再放送されるたびに新たなファンを獲得。『サムライチャンプルー』を通して、Nujabesの名前もさらに広がっていった。
より近年で言えば、東京パラリンピック2020開会式でNujabesの楽曲「Spiritual State」がNujabes with The Champlooの制作により“(Tokyo Olympic Paralympic 2020Ver)”としてプレイされたことでも話題に。
また、今年10月には日本を代表するアーティストの一人であり、ディープな音楽リスナーとしても知られる星野源が司会を務めるNHKの番組『星野源のおんがくこうろん』でも特集が組まれるなど、死後長く時間が経過した現在もNujabesの音楽がたくさんの人に愛され続けていることがわかる。
■現在のヒップホップリスナーからも支持同時代の錚々たる顔触れが参加するイベントも開催間近
Nujabesはコアな国内ヒップホップリスナーからの評価も高い。
その大きな要因となっているのが、ストリートを中心にラップシーンで際立った人気を誇るヒップホップグループ、舐達麻の存在だ。不穏さとリアリティに溢れた彼らのラップが乗るのは、美しいメロディのループするトラック。主に彼らの楽曲を手掛けているGreen Assassin Dollarのビートは、もちろん低音の鳴りなど細部を見れば現代的にアップデートされていることはわかるが、同時にそこにあるのはまさにNujabesの影響を受けたであろう感情を揺さぶる美しいメロディなのだ。
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