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中森明菜「伝説のコンサート」放送 スージー鈴木氏が語る、あふれ出た涙から見える「語られるべき本当の姿」
今年7月に6年半ぶりにファンクラブ限定イベントを行った中森明菜。復活への歩みを進めるなか、5日に放送されるNHKの番組「伝説のコンサート」で、1991年の中森明菜のコンサートが放送される。
なぜこのコンサートが「伝説」なのか。人気音楽評論家のスージー鈴木氏によると、そこには「素」の中森明菜が垣間見える、二つの名曲が記録されているという。
今回放送されるNHK「伝説のコンサート」では、「中森明菜 1991 リマスター版」(BSNHK・10月5日午後9時~10時20分)と題して、1991年7月に千葉・幕張イベントホールで開催された「夢 ’91 Akina Nakamori Special Live」を4K画質相当の映像にリマスターされたものが放送される。
「伝説のコンサート」は、日本を代表するアーティストのコンサートや、NHKに残る貴重な映像などを高画質、高解像度で紹介する番組。
これまでに、89年に活動休止する直前のレベッカ、89年に52歳で亡くなる前年の美空ひばり、92年12月28日のチェッカーズの日本武道館での解散ライブ、キャンディーズの78年の解散コンサートなど、名だたるアーティストたちの歌謡史に残る「あのとき」を取り上げてきた。
そして、今回の「中森明菜 1991 リマスター版」では、1991年7月に幕張イベントホールで開催された2公演が紹介される。
■感極まる中森明菜が美しい
中森明菜はこのコンサートで、「難破船」に始まり、「スローモーション」「セカンド・ラブ」「十戒 (1984)」「TATTOO」「サザン・ウインド」「DESIRE -情熱-」「飾りじゃないのよ涙は」「北ウイング」のほか、スタジオ・アルバム「CRUISE」や「Cross My Palm」に収録されている曲を歌い切った。
スージー鈴木氏によれば、このライブでの最大の見せ場は「アンコールの2曲」だという。アンコールに中森明菜が選んだのは「水に挿した花」と「忘れて…」だった。
著書「中森明菜の音楽1982-1991」(辰巳出版)を執筆するにあたって、中森明菜の全曲を聞きなおしたという鈴木氏は、「水に挿した花」を初期の中森明菜の「名曲」と言い切る。
鈴木氏は、歌謡曲、ロック、フォークといったジャンルに分類できない「純粋音楽」と名付け、「大衆音楽」の対義語として「ただただ音楽としてピュアに美しい曲」と評価している。そんな「水に挿した花」を歌う中森明菜の姿は感動的だったと、スージー鈴木氏は言う。
「91年の幕張のライブは、89年に自殺未遂事件があり、同年12月31日に記者会見を開いたのち、ファンの前での復活のコンサートという位置づけです。『水に挿した花』をアンコールで歌うのですが、そのときに感極まる中森明菜は素晴らしく、そして美しい」
「かつて愛された日を もう一度とり戻せるわ」と歌い終えた中森明菜は、感極まったように涙を流す。
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