22/08/07 19:42:37.43 ko/W4hNE0.net
現実にはエリスという女性が鷗外を追いかけて日本まで来たが、その女性は妊娠もしていなければ、発狂しているわけでもない。
何故、鷗外はこんな小説を書いたのだろうか?
おそらく鷗外は異国の地で自由になりえたと思ったことがすべて錯覚だと思わざるをえなくなった。
家族全員に説得され断腸の思いでエリスを追い返した。愛してもいない人間と結婚させられた。
すべてが家のため、国家のためと呑んできた。
でも、一点の恨みだけはどうしようもなかった。
そこで、「舞姫」を発表。家族全員の前で朗読したらしい。世間も非難轟々
しかし、それは自分の自由を奪い取ったすべてのものに対する恨みの告白だったはずだ。
それと同時に、命がけで愛し、生涯忘れることのなかったエリスに対する罪滅ぼしだったのかもしれない。
だから、自分を悪者にし、しかも鷗外は一切弁解しない。