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日本人はなぜ「論理思考が壊滅的に苦手」なのか 「出口治明×デービッド・アトキンソン」対談
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○なぜ日本人は、ここまで「のんき」なのか
出口治明(以下、出口):アトキンソンさんが以前書かれた「日本人の議論は『のんき』すぎてお話にならない」という記事を読ませていただきました。
そこで述べられているとおり、日本が置かれている状況は非常に厳しいのに、それを理解している人が少なすぎます。僕もまったく同感です。
平成の30年間のデータを見ると、日本がいかに危機的な状況にあるかは一目瞭然です。
デービッド・アトキンソン(以下、アトキンソン):いちばんの原因は、日本人が「分析をしない」ことにあると思います。
たしかに高度経済成長期、日本のGDPは世界の9%弱まで飛躍的に伸びました。それは事実です。
しかしそのとき、「日本ってスゴイ!」と喜ぶだけで、何が成長の要因だったかキチンと検証しませんでした。
さらには「日本人は手先が器用だから」とか、「勤勉に働くから」とか、「技術力がある」からなど、
直接関係のないことを成長要因としてこじつけてしまい、真実が見えなくなってしまったのです。
アトキンソン:1990年代以降の生産性向上要因を分析すると、人的要素も物的要素もほかのG7諸国とほとんど変わりません。
しかし、マネジメントが最も関係する生産性向上要因(全要素生産性)は、諸外国ではものすごく伸びているのに、日本ではほとんど伸びていません。
つまり、日本に決定的に不足しているのはマネジメントだということは、はっきりとエビデンスとして出ているのです。
やはり、日本の経営者は才能がない。失われた30年の根本原因はマネジメントが悪いから、それに尽きます。
こういう話をすると「衝撃的です」と言われてしまう。なぜこれが「衝撃的」なのか。
私は政府関係者と話をする機会が多いのですが、日本経済を議論するときにテーブルに座っているのは、
日本という国家のマネジメントをやっている国会議員と、企業のマネジメントをやっている経団連や経済同友会、または商工会議所の人たち。