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3時間前
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米俳優マット・デイモン氏が、1日付の英日曜紙サンデー・タイムズで、つい最近になって「Fから始まる同性愛者に対する蔑称」を使うのを止めたと語った。娘にたしなめられたことがきっかけだという。
サンデー・タイムズの取材でデイモン氏は、自宅でその言葉を使ったジョークを言ったところ、その言葉が「いかに危険か説明する、とても長くて美しい論文」を娘に書いて渡されたと話した。
デイモン氏によると、その蔑称は「自分が子供のころには普通に使われていて、違う意味合いを持っていた」という。
しかし、娘はそのジョークを聞いて「テーブルから立ってしまった」という。
「ただのジョークだよ！ （出演映画）『ふたりにクギづけ』の中でも言ったよ！と」と、デイモン氏は娘に釈明したのだという。
「娘は自分の部屋に戻って、その言葉がいかに危険か説明する、とても長くて美しい論文を書いてくれた。それで僕は理解して、『もう使わない』と言った」
■「隔絶と孤立」
この告白についてアメリカのコメディアン・俳優のトレイヴォン・フリー氏は、デイモン氏は気づくのが少し遅すぎたのではないかと指摘した。
自身を両性愛者あるいはクィアだと自認しているフリー氏は、「なるほど、マット・デイモンはたった『数カ月前』に、娘からもらった『論文』で、蔑称を使ってはいけないと理解したわけだ」とツイートした。「数カ月前……数カ月前に」。
俳優のビリー・アイクナー氏も、「マット・デイモンが代わりにどんな言葉を使うことにしたのか知りたい」と、納得していない様子だった。
ハリウッド・リポーターTVの批評家ダニエル・ファインバーグ氏は、「報道関係者として著名人のインタビューは好きだが、リアム・ニーソンやマット・デイモンといった人たちが、自分の人柄を物語る微笑ましいエピソードだと思って話す内容が、実際には彼らがいかに閉鎖的な世界で生きていて、社会から断絶しているか（そしてほかにも不快なことをいろいろ）を、さらけだしてしまうのが、常に興味深い」と指摘した。
俳優のニーソン氏は2019年の英紙インタビューで、過去に近しい友人が強姦されたと聞いて、黒人を殺そうと思いながら武器をもって街を歩き回ったことがあると話し、物議と批判を引き起こした経緯がある。
ニーソン氏はその後、自分の行動は言語道断で恥ずべきものだったと述べている。
■「見当違いだった」
デイモン氏が差別への無関心で批判を受けたのはこれが初めてではない。セクハラ被害者を支援する「#Me Too（私も）」運動が最盛期を迎えていた2017年、デイモン氏はある取材で、不適切な性行為にも「ピンからキリまで」あると発言したことがある。
デイモン氏は最近になってこの発言について謝罪し、世の中の状況に対して「音痴」だったと認めた。
米紙ニューヨーク・タイムズの取材でデイモン氏は、「他の誰もと同じように、私も自分の主観的な経験に囚われていて、見落としているものがある」と述べた。
「白人男性のアメリカ映画俳優として経験してきた内容からして、自分は大半の人より、たくさんのことを見落としていると思う。とても特殊な空間にいるので。自分が何をどこからどこまで見落としているのかさえ、分からない」
「だからそう、今も昔も僕は世間のことが分かっていない『音痴』だ。でもそうならないよう、努力はしている」