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RGがこれらの曲を歌えば、最後に“あるあるネタ”を言う直前、一瞬の間が空いた後にオチに行けるため、今まで以上に視聴者の気を引ける。もちろん、そのパターンは今までも存在しただろう。しかし、田原の歌で統一すれば、1つの軸ができる。
また、“決めポーズ”が多いため、RGにとっては“ネタの見せ場”が作りやすくなるはずだ。たとえば、『抱きしめてTONIGHT』で最後のポーズを決める時、持ちネタである三遊亭好楽のドヤ顔をすれば、ハマるに違いない。
曲中に笑い出す前代未聞の『ブギ浮ぎI LOVE YOU』、〈時間よ止まれ〉と歌った後に本当に数秒間空く『顔に書いた恋愛小説』のように、田原のヒット曲にはエンターテイメント性が含まれている。これも、RGが“あるあるネタ”を歌う時に、大きなフックになるはずだ。
“あるあるネタ”が13年目を迎えたRG。田原がデビュー13年目に発売したシングル『思い出に負けない』という言葉の如く、“あるあるネタ”も新たなステージに入るかもしれない。
■文/岡野誠:ライター、笑点研究家。著書『田原俊彦論 芸能界アイドル戦記1979-2018』(青弓社)では本人へのインタビュー、野村宏伸など関係者への取材、膨大な資料を緻密に読解し、人気絶頂からバッシング、苦境、現在の復活まで熱のこもった筆致で描き出した。巻末資料では田原の1982年、1988年の全出演番組(計534本)の視聴率やテレビ欄の文言、番組内容などを掲載。